健さん“放送禁止歌”50年ぶり復活へ

 10日に悪性リンパ腫のため83歳で死去した俳優の高倉健さんが1965年に発売したシングル「網走番外地」の復刻準備が、12月31日発売を目指して進んでいることが21日、分かった。復刻盤が実現すれば初シングルCD化。発売当初、放送禁止曲に指定された経緯があり、発売元のテイチクは「権利関係や法務関係を確認中」としている。また、「望郷子守歌」や、歌手の八代亜紀(64)とのデュエット曲「挽歌」の再プレスも決まった。

 歌手・健さんへの再評価が高まってきた。

 「網走番外地」は、65年に公開されて人気を決定づけた同名映画の主題歌。健さんの深みのある歌声で、映画に合わせてミリオンヒットを記録した。死去したことが明らかになった18日からテイチクに問い合わせが殺到したことで、CD化の検討がスタート。実現すればシングルとしては初CD化となる。

 障壁もある。発売当時、歌詞の一部に隠語が含まれていることなどから「刑務所を美化しているように読める」として、日本民間放送連盟による自主規制内規「要注意指定制度」でA指定され、長らく事実上の“放送禁止歌”となっていた。

 同制度は現在では失効しているが、テイチクは「念のため法務上の確認が必要」と判断。法的関係がクリアしやすく、往年のファンが最も喜ぶという点から、ジャケットやカップリング曲(三界りえ子さんの「流れのブルース」)も当時のまま収録する「復刻盤」での発売を目指す。現在、映画を配給した東映や三界さん側に、道義上の許可を取る作業もしているという。

 健さんは生前、20曲以上の楽曲を発表。日本コロムビアも「望郷-」「挽歌」の再プレスを決定した。十数年前にレコーディングしていた“遺作”「対馬酒唄」「流れの雲に」の存在も判明した。ちょっと不器用な歌声も映画同様、永遠の魅力をたたえている。

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