平成中村座を勘九郎・七之助が受け継ぐ

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(33)と七之助(31)が23日、京都市内で会見し、来年4月上旬から5月上旬に、東京・浅草寺境内で「平成中村座」公演を行うことを発表した。2人の父・勘三郎さんが12年に行った公演以来、日本では3年ぶりの復活。勘九郎は「父の精神を受け継ぎ、とにかく一生懸命やります」と夢の継承に全力投球する構えだ。      

 勘三郎さんの死去以来、国内では3年ぶりの公演復活。今年7月に、米ニューヨークで公演を開催した勘九郎だが、国内で初の座頭に、「ただただうれしいです。父の夢であった平成中村座を、父が逝っちゃった後もできるのは皆さまのおかげです」と感謝した。

 公演は父の夢を継承するだけでなく、次世代にバトンタッチするための第一歩でもある。夜の部の「妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)三笠山御殿」には、長男の七緒八(なおや)くん(3)も初めて「平成中村座」に出演する。親子三代の夢のリレーが始まる形だ。

 勘九郎は「父も喜んでいると思います」と感慨無量。最近、七緒八くんは勘三郎さんに似てきているそうで「ふとした表情や歩き方が似てるんです。おととい『ぼくはすべての女の子が好き』って言ってて、そこは似ないでほしいんですが」と苦笑いだった。

 12年5月に、浅草の隅田公園内の仮設劇場で行われた前回の公演が、勘三郎さんが務めた最後の本公演(最後の舞台は同年7月、「平成中村座 信州まつもと大歌舞伎」の千秋楽)だった。勘九郎と七之助は現在、京都の南座での「吉例顔見世興行」(26日千秋楽)に出演中だが、勘三郎さんが亡くなった2年前の12月も同じ南座の舞台に出演していた。劇場でつらい記憶がよみがえることもあるが、七之助は「今年はニューヨーク公演、10、11月には追善公演もできました。その年に『平成中村座』を発表できる、こんなにありがたいことはないです」と前を向いた。

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