内定取り消し女子大生“逆転採用”へ
今年4月にアナウンサーとして入社する内定を日本テレビから出されていた東洋英和女学院4年の笹崎里菜さん(22)が、東京・銀座のクラブでアルバイトをした経験があったことを理由に内定を取り消されたことは不当として、日本テレビを相手に起こした地位確認を求めた訴訟の和解協議が7日、東京地裁で行われ、日テレ側が一転して採用の意向を示したことが分かった。
和解協議後、取材に応じた原告側の緒方延泰弁護士によると、東京地裁は近日中にも双方に和解案を提示予定で、次回期日となる15日を待たず、早ければ今週中にも和解が成立する見通しという。緒方氏は「女性アナウンサーとして歩んでいく方向感で(双方)一致している」と、日テレ側が歩み寄りを見せたことを明かした。
原告側の主張が認められれば、内定取り消しからの“逆転入社”という前例のない形での採用となるだけに、「研修を受けていない。明らかに不平等な取り扱いがないようなプログラムがないといけない」と細部を詰める意向を示した。
内定取り消しの理由とした「清廉性」について、15日の口頭弁論で日本テレビ側が主張する予定だったが、議論されないまま和解となる見通しだ。
日本テレビ広報・IR部は「本件は、裁判手続きが進行中につき、現時点でのコメントは控えさせていただきます」とコメントしている。
訴状によると、笹崎さんは今年4月からの入社が内定していたが、人事担当者に「クラブで短期のアルバイトをしたことがある」と昨年3月に伝えたところ、「アナウンサーには高度の清廉性が求められる」などの理由で内定取り消しを通知された。