佐久間正英さん“遺作”アルバム発売へ
BOθWY、GLAYらをスターダムに導いた巨人に、最後の“置き土産”があった。音楽プロデューサー、ミュージシャンで、昨年1月16日に死去した佐久間正英さん(享年61)が晩年に組んでいたユニット「blue et bleu(ブルー・エ・ブリュ)」のファーストミニアルバム「blue et bleu」が21日にリリースされることが9日、分かった。生前に制作が進んでいたが、病気のために中断されていた作品だ。
佐久間さんは伝説のロックバンド「四人囃子」「プラスチックス」のメンバーとして活躍したマルチ奏者で、BOθWY、GLAY、JUDY AND MARYらを大ブレークさせた名プロデューサーでもあった。
特別講師を務めていた専門学校で2005年に行われた「高校生ボーカリストコンテスト」で優勝したのがblue-のボーカル・ゆあさみちる(25)だ。佐久間さんはその歌声にほれ込み、06年から本格的にやり取りを開始。11年からblue-としてライブや楽曲制作を始めた。
佐久間さんは12年春、音楽ユニット「dip in the pool」の木村達司(53)にプロデュースを依頼。4曲が7~8割、1曲が5割ほどできたが、13年4月上旬に佐久間さんのスキルス胃がんが発覚、作業は中断を余儀なくされる。佐久間さんは14年1月に死去した。
「すごくいい。これを眠らせておくわけにはいかない。世に出す」と決意した木村は、佐久間さんの息子でミュージシャンの佐久間音哉と、制作を14年夏から“再開”。収録曲5曲を完成させた。
楽曲は佐久間さんの美しいメロディーに、ゆあさのささやくような歌声が乗ったもの。ゆあさは「佐久間さんの世界を壊さず歌いきれたと思います」と話し、「たくさんの経験、学びを与えてくれてありがとうございました」と、恩師への感謝を述べている。