遺族ら献花…「命の大切さを次世代に」

 6434人が亡くなり、3人が行方不明となった1995年の阪神・淡路大震災は17日午前5時46分、発生から20年の節目を迎え、かつての被災地では数々の追悼行事が開かれた。

 「今生きていたらどうしているだろうか」-。兵庫県の各地では遺族や住民が献花に訪れ、鎮魂の祈りをささげた。亡くなった家族や友人らに「命の大切さを次世代に伝えていきたい」と誓った。

 ほとんどの店が全壊した西宮市の西宮中央商店街では、発生時刻で止まったままの大時計を店主ら約70人が囲み黙とうした。

 犠牲者千人以上の名前が石碑に並ぶ、西宮震災記念碑公園では専門学校校長の和泉喜久男さん(64)が、長男忠宏さん=当時(10)=の名前を見つめ「元気にしているか」と心の中で声を掛けた。

 大規模な火災が起きた神戸市長田区。妹を亡くした主婦谷口育子さん(79)は「助けようとがれきをかき分けた時の感覚がまだ残っている」。同区の真野小には東日本大震災で被災した仙台市立東六郷小の児童を招き、「1・17 絆 3・11」の形に並べたろうそくに火がともされた。

 市街地を一望できる高台にある神戸市中央区の諏訪山公園にはトランペットの音色が響いた。演奏した松平晃さん(72)は「この町の人が心をつなげていければ」と語った。

 震源となった野島断層がある淡路市の北淡震災記念公園では、淡路島で亡くなった住民の数に合わせた63個の竹筒に入ったろうそくに火をともして池に浮かべた。

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