天皇、皇后両陛下も追悼式典出席
6434人が亡くなり、3人が行方不明となった1995年の阪神・淡路大震災は17日午前5時46分、発生から20年の節目を迎え、かつての被災地では数々の追悼行事が開かれた。
神戸市の兵庫県公館で営まれた震災20年の追悼式典には天皇、皇后両陛下も出席し、祭壇に供花された。両陛下の追悼式典出席は、2005年以来、10年ぶり。引き続き公館内で、防災を専門に学ぶ県立舞子高校環境防災科の生徒、音楽療法士らから地元や東日本大震災の被災地での活動について説明を受けた。
同市中央区の東遊園地では市などが主催する「1・17のつどい」があり例年より多い約1万4千人が集まり、発生時刻に合わせ1分間黙とうした。会場には約1万本の竹灯籠が並び「1995 1・17」の文字が浮かび上がった。
母親のさつきさん=当時(33)=を亡くした遺族代表の美容師銘田奈津紀さん(26)は、時折声を震わせながら「母の分も強く生きる」と誓った。今年は初めて新成人を代表して兵庫県西宮市職員小川和昭さん(20)もあいさつに立ち「新しい神戸を築いていく」と抱負を述べた。
5年ぶりに遺族を招待して県公館で開かれた追悼式典では、井戸敏三知事が「経験と教訓を未来へと伝え、減災社会を実現する」と決意を表明した。遺族代表として母を亡くした小河昌江さん(51)は「震災の光景は忘れることはない」とあいさつした。
西宮市や神戸市長田区などから中央区の「HAT神戸」を目指し、当時の避難路などを最長15キロ歩く「メモリアルウォーク」では、震災を経験していない世代のために初めて「子ども(親子)ウォーク」も設けた。神戸市灘区の中学2年松井瞳さん(14)は「この道が物資の輸送に使われていたと思うと感慨深い」と話した。