安藤サクラ 「ミラクル」“魂の戴冠”

 東京映画記者会(デイリースポーツなど在京7紙で構成)が制定する「第57回ブルーリボン賞」が22日、決定した。俳優の浅野忠信(41)が「私の男」で主演男優賞を獲得し、ブルーリボン賞を初受賞。「0.5ミリ」「百円の恋」で圧倒的な存在感を見せた女優の安藤サクラ(28)が第55回に続き主演女優賞を受賞した。授賞式は2月12日、東京・内幸町のイイノホールで開催される。

 「0.5ミリ」と「百円の恋」での生命力あふれる演技が評価された安藤は「どちらも特別な作品。偶然にも同じ時期に公開されたことがステキなミラクル」と、2作のタイトル入り自作Tシャツを着て、はにかんだ。

 「0.5ミリ」は2013年4月、「百円の恋」は14年7月に撮影し、ともに昨年末に公開された。

 先に封切りされたのは、姉の安藤桃子(34)が監督を務め、父の奥田瑛二(64)、母の安藤和津(66)もスタッフとして参加している家族総出演作品の「0.5ミリ」。「小さいころから姉に演出され続けてきて、例えば髪を長くしていたんですけど『スーパーサイヤ人(漫画ドラゴンボールのキャラクター)みたいにして』と言われてベリーショートにしたり。そういう意味で言えば、30年近くかかった作品。姉でなければ映せないものを映し切られました」

 「百円の恋」では、ボクサーとなるため、短期間での減量を経験。「ここまで肉体を使う役は初めて。撮影中は少し『死ぬのかな…』と思いました」と限界まで挑戦した。

 2作で「すべての使える肉体と心を使った」という。インタビュー後に「私、今年どうしたらいいですか?」と逆質問するほど魂をささげた2作での戴冠だった。

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