浅野忠信 健さんの言葉胸に主演男優賞

 東京映画記者会(デイリースポーツなど在京7紙で構成)が制定する「第57回ブルーリボン賞」が22日、決定した。俳優の浅野忠信(41)が「私の男」で主演男優賞を獲得し、ブルーリボン賞を初受賞。「0.5ミリ」「百円の恋」で圧倒的な存在感を見せた女優の安藤サクラ(28)が第55回に続き主演女優賞を受賞した。授賞式は2月12日、東京・内幸町のイイノホールで開催される。

  モスクワ国際映画祭で最優秀男優賞を獲得するなど評価されながら、国内では賞に恵まれなかった。それだけに、今回の受賞に浅野は「『あっ、誰か相手にしてくれてたんだ』とうれしかったですね」と照れ笑いした。

 対象作「私の男」で演じた腐野淳吾は、養女との禁断の愛を抱える陰のある役柄。“1周回って”たどり着いたハマリ役だった。

 「勢いで過ごした20代に飽きてしまったんです。なので30代は、まったくやっていないことにチャレンジしました。すると、もうやらなくていいかな、と思うものもできて、オレが20代で必要とされてきたものって何だろう、と考えたんです。淳吾は20代で任されてきたものの延長線にいる役。これこそ追求すべきだと思った」

 役に飛び込んだ結果の受賞だった。

 心には高倉健さんからの言葉がある。09年公開の映画「劒岳 点の記」に主演後、健さんから手紙を受け取り、食事をする機会が訪れたという。「高倉さんから『きちんと、いい仕事を、慎重に選んでほしいな』と言われたことは、僕にとって大きなことでした」

 駆け抜けた20代、模索した30代、そして40代では何を目指すのか-。「最近は“映像”を撮りたい監督ばかりです。俳優たちの“心”に目を向けていない人がほとんどになってしまった」と現在の映画界に一石を投じる。

 「俳優として役に入り込める時間を作ってもらえないのは地獄。それこそ(“心”のない演技は)健さんや文太さんに教わってきたことに反してしまう」

 だからこそ「わがままな俳優になりたいですね」と続けた。徹底的に役作りについて現場で格闘する腹づもりだ。「『あいつ、わがままだな。でも、ブルーリボン賞は敵に回したくないな』って、そういう俳優になりたいです」と笑った。

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