「渡鬼」復活 宇津井健さん代役立てず

 大ヒットドラマシリーズの最新作となるTBS系「橋田壽賀子ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』スペシャル」が2月16日と23日の午後9時から前後編で放送されることになり、脚本の橋田壽賀子氏(89)とプロデューサーの石井ふく子氏(88)がこのほど都内で会見した。ドラマの大黒柱・岡倉大吉役の宇津井健さんが昨年3月14日に死去したが、代役は立てず。大吉が亡くなったという設定で、相続をテーマにしたストーリーになる。

 大きな悲しみを乗り越えて、「渡鬼」が帰ってくる。平均視聴率20・5%、最高視聴率34・2%の国民的ホームドラマ、新作の放送は2013年6月3日の単発スペシャル以来1年8カ月ぶりだ。

 橋田氏、橋田氏の夫でTBSのプロデューサーだった故岩崎嘉一さんは共に宇津井さんのドラマを手掛けており、橋田氏にとって宇津井さんは「個人的にもお付き合いした。特別な思いを持っていた方」だ。石井氏もTBS系「日曜劇場」などで関係は深かった。

 宇津井さんが亡くなり「『鬼』はやめる」と一度は決めた橋田氏だったが、どこに行っても「いつやるんですか?」と聞かれたという。石井氏にも視聴者から「お父さんもお母さん(故山岡久乃さん)も亡くなってしまって、どうするのか」と問い合わせがあった。両氏は相談の上、大吉の5人の娘(長山藍子、泉ピン子、中田喜子、野村真美、藤田朋子)の成長で「新しいドラマができるんじゃないか」(橋田氏)と、再開を決めた。

 両氏は「(故藤岡琢也さん、宇津井さんに続く)三代目を立てるのはやめよう。お父さん(大吉)に対する子供たちの気持ちを描こう」と決定。大吉は亡くなった設定になった。今作は大吉の死の数カ月後から始まり、5姉妹による「今一番問題になっている」(橋田氏)相続をめぐるドラマが展開する。

 現場では、宇津井さんが着ていた仕事着が大吉の部屋にかけられている。「皆さんもお父さんの話をすると、非常につらい感じに見えました。皆さん我慢しているところはある」(石井氏)。「渡鬼」ファミリーは、悲しみをこらえて今も撮影を続けている。

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