北島三郎、宮城へ激励訪問し恩返し誓う
歌手・北島三郎(78)が8日、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)漁港を訪れ、地元漁師や市場の店主らを激励した。9日放送のNHKの震災特別番組「震災から4年 明日へコンサート」(総合、後7・30)で現地から生中継で出演する北島はこの日、被災地の現状をレポート。復興の途上を目の当たりにし「恩返しのつもりで、これからも訪れたい」とさらなる支援を誓った。
「サブちゃ~ん!」の声とともに、大勢の人が取り囲んだ。もみくちゃになりながらも、北島は1人ずつ丁寧に握手してまわった。
かれい、赤貝などで知られる閖上漁港で、北島は、漁に励む漁師と交流し、「ゆりあげ港朝市」を訪れた。さらには、名取市の名産・セリを使用した「名取セリ鍋」や笹(ささ)かまぼこなどを試食。店頭に立ち、PR役を買って出るなど、できる限りの励ましを行った。
一昨年にNHK紅白歌合戦を卒業。今年1月に、劇場公演からも卒業した。紅白卒業後に東北を訪れたように、今回も「また新たなスタート。まずは東北の皆さんのところに行きたい」との思いを持っていた。そこへ、震災特番で、被災地から生中継での出演依頼が届き、今回の訪問が実現した。
震災から4年がたつが、まだまだ厳しい現実も思い知らされた。鮮魚店を営む女性へ「頑張って!」と声を掛けたところ、「『頑張って!』とは言わないで。涙が出てくる。もう十分頑張ってますから」と笑顔で返された。この言葉は心に突き刺さった。「まだまだ復興途上。その中で、頑張るを通り越して精いっぱいやってこられている。自分たちが何ができるか、お手伝いできることは、どんどんやっていく」との思いを強くしていた。