３０日にスタートするＮＨＫ連続テレビ小説「まれ」（月～土、前８・００）でヒロイン・津村希（まれ）を演じる女優の土屋太鳳＝たお＝（２０）に放送開始直前の心境を聞いた。「おひさま」や「花子とアン」での朝ドラ出演を経てのヒロイン。共演の田中裕子（５９）や「花子－」の吉高由里子（２６）らから“朝ドラＤＮＡ”を受け継いだ新ヒロインは「希の成長を見守っていただければ」と瞳を輝かせた。

　土屋は、みっちり詰まったスケジュールにも「『花子とアン』を経験していて、大変さを知ってるので“ついにこの時が来たか”って言う感じです」と冷静に対応しているという。

　２度の朝ドラ出演経験を生かし、「朝から夜まで撮影してると、どうしても同じ表現になってしまう。でも日常はいろんな変化があるので、同じにならないように心掛けています」と高い意識でヒロインを務めている。

　朝ドラＯＧからの言葉にも力をもらっている。昨年、収録現場に陣中見舞いに訪れた吉高からは「体調とか大丈夫」と優しく声をかけられた。「お姉やん（『花子－』での吉高の呼び名）はいつも温かい気持ちを送ってくださるんです」と気遣いに感謝した。

　撮影現場にも頼りになるＯＧがいる。希の祖母代わりともいえる桶作文（おけさく・ふみ）役を務める田中だ。田中は１９８３年に放送された大ヒット作「おしん」のヒロイン。現場で眠気が襲ってきた際に「わたしも、この時期が一番眠かったけど、乗り越えれば少しずつ楽しくなってくるし、いろんなことをちゃんと考えられるようになるよ」とアドバイスされたという。

　“姉”や“祖母”からの言葉に「心が布団に包まれるように、愛情を注ぎ込んでいただいたような気持ちになりました」と感激。ＯＧからのバトンを受け継ぎ、「希ちゃんの世界を次に渡せていければいいなって。いろんな人の心に寄り添えるような作品になればと思います」と先を見据えた。

　パティシエを目指す希役のために、土屋はスイーツ作りを特訓中。せりふも出番も一番多く、覚えることは山ほどあるが、「地道にコツコツです」と着実に歩を進めている。夢のために奮闘する希と自身を重ね合わせ、「希ちゃんの成長、登場人物の成長を見守っていただけたらうれしいです」と希望に満ちた笑顔を見せた。