古賀茂明氏、自民党は「放送法違反」
テレビ朝日の「報道ステーション」で官邸からの「圧力」を訴えた元官僚の古賀茂明氏(59)が16日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見し、自民党がテレ朝とNHKから番組内容に関する事情聴取を行うことについて「政権与党が報道内容に口を挟むのは、明らかな放送法違反だ」と批判した。
聴取対象は「報道ステーション」と、やらせが指摘されたNHK「クローズアップ現代」。自民党は17日の情報通信戦略調査会に両局の関係者を呼ぶ方針を示している。
古賀氏は会見で、テレビ局が政府から免許を受けて放送を行っている一方、放送法3条が番組編集の自由を定めている点を指摘。「権力の座にある者は、間違っても表現や言論の自由に負の影響を与えないように配慮すべきだ。テレビ局側は呼び出しを拒否してほしい」と述べた。
また、報道と政治の関係について「政府の圧力でマスコミが自粛し、記者に問題提起の意識さえ失われてしまえば、日本にも独裁に近い状態が生まれかねない」と持論を展開した。
一方、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、古賀氏が自民党によるテレビ朝日などへの事情聴取を批判したことについて「いちいちコメントすることは控えたい」と述べた。古賀氏が、番組降板をめぐって官邸から圧力があったと訴えている点に関しては「事実無根だ」と重ねて強調した。
古賀氏は、準レギュラーのコメンテーターを務めていた3月27日放送の「報道ステーション」で、自身の番組降板について官邸からの圧力があったことをほのめかすなどし、キャスターの古舘伊知郎と口論になっていた。