橋下市長に早速弁護依頼の“行列”

 大阪都構想が17日の住民投票で反対70万5585票、賛成69万4844票の僅差で否決され、橋下徹大阪市長(45)が12月の任期満了をもっての政界引退と弁護士復帰を表明したことに対し、一夜明けた18日、大阪市役所などに市民から「辞めないで」と引退撤回を求める電話が殺到した。橋下氏の法律事務所では電話回線がパンクする一方、早くも複数の弁護依頼まで舞い込み、まさに“行列ができる”騒動となった。

 橋下氏の後援会事務所も兼ねる大阪市の「橋下綜合法律事務所」には午前から電話が殺到した。電話しても「電話が混み合っております」というアナウンスが流れる、つながりにくい状況だ。

 事務所関係者によると、支援者だけでなく市民からも「辞めないでほしい」との電話が相次ぎ、対応できただけで約100件。「本人が『弁護士に戻る』と話してしまった」ため、数件の弁護依頼まで入ったという。年内は市長の公務が続くため、別の弁護士での対応を打診しても「どうしても橋下さんに」と要望されたという。

 大阪市役所にも、広聴課担当が把握できただけで67件の電話やメールがあり、そのうち50件が引退の撤回を求める内容だった。

 ただ、橋下氏は18日未明まで続いた会見で「やり切った。最高の終わり方だ」と、政治家引退を表明した。

 茶髪&色メガネ弁護士に戻るのかと問われると「顔が疲れた男になってて似合わない。相当頑張って生気を取り戻す!」と宣言。タレント活動に関しても「ギャラもらいますよ。これからの人生、ホント楽しみだ」とニコニコ顔で語り、会見を取材に来たNHKの登坂淳一アナに「一緒に(番組)やりたいです」と持ちかけるなど、ノリノリだった。

 この日午前、大阪市役所に登庁した橋下氏は「十分、眠れました。また頑張ります」と笑顔。職員らに都構想否決をわび「あと半年、できることはやる」と、橋下劇場の閉幕に向け動き出した。

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