加山雄三、加瀬邦彦さんへ追悼唱
歌手の加山雄三(78)が21日、グループサウンズ「ザ・ワイルドワンズ」のリーダーで4月20日に亡くなった加瀬邦彦さん(享年74)が経営していた東京・銀座のライブハウス「ケネディハウス」で、ライブを行った。
ワイルドワンズのメンバー3人とセッションし、加瀬さんが作曲した自身のシングル曲「さらばオーシャン」を20数年ぶりに披露。哀悼の歌声を天国に届けた。
加山にとって毎月恒例のケネディハウスでのライブだが、加瀬さんの没後は初めてとあって、特別な思いを胸にステージに上がった。ワイルドワンズの島英二(67)、鳥塚しげき(68)、植田芳暁(67)も出演。加瀬さんの兄貴分として60年の付き合いだった加山は、「加瀬、お前の後を継いでみんなやるってよ。心の中で生きてくんだよ」と語りかけて、献杯をささげた。
加瀬さんが息を引き取ったのは、4月20日の午後9時。ちょうどそのころ、加山は同店で「ハイパーランチャーズ」名義の島と植田と共に演奏していた。「(店で)22年やってて1回も弦が切れたことはなかったのに、島君の弦が切れた。知らせに来たんだと感じて、(訃報を知った)後で驚いて言葉を失ったよ」。1カ月前の別れの夜を、しんみりと振り返った。
加瀬さん作曲の「さらばオーシャン」について、「好きじゃないんだよな。『さらば』って何事だ!!こんな歌、歌えるかと思って」と“海の男”らしく、冗談交じりに封印してきた理由を説明。「『こんないい曲を何でですか!?歌ってください』と加瀬は言ってたけどね」と明かし、20数年ぶりの“解禁唱”で盟友をしのんだ。
ほかにも、ワイルドワンズのヒット曲「想い出の渚」、加瀬さんがコーラスを担当した自身の代表曲「旅人よ」を客席のファン100人と大合唱。加瀬さんが愛した店は、追悼ムードに包まれた。