女優の若尾文子（８１）が２７日、東京・角川シネマ新宿で、自身の出演作の特集上映「若尾文子映画祭　青春」（８月１４日まで）の初日舞台あいさつを行った。舞台あいさつは「２０代以来」だという。

　若尾は１９７１年の大映倒産直前まで、看板女優として１５０本以上に出演。映画祭では、その中から“青春”をテーマに、５２年のデビュー作「死の街を脱れて」など計６０本を上映する。

　多くの名作に主演した大女優は「（自分の青春は）ひたすら映画と共にありました」と苦笑。５９年の「浮草」でメガホンを取った世界的巨匠の故小津安二郎監督について「（小津作品は）一番自由に俳優が動いてるように見えて一番がんじがらめにしてる。こういう人のお嫁さんになりたいと思った」と、昔日の恋心を告白した。

　近年もドラマや舞台など多岐にわたって活躍しているが「やっぱり私は映画の中にいるときが自分らしくて」と、原点への特別な思いを語っていた。