℃-uteメキシコ公演に英雄の金言
アイドルグループの℃-uteが19日(日本時間20日)、メキシコシティーのライブハウス「SALA」で単独コンサートを行い、標高2240メートルという過酷な条件で約2時間、全17曲の激しいダンスと歌でメキシカンを魅了した。18日には日墨文化交流シンポジウムに“仮面貴族”ミル・マスカラス(73)と参加。メキシコのレジェンドプロレスラーからの「個性とファンを大事に、努力し続けなさい」という金言を実践したパフォーマンスとなった。
日本のアイドル初のメキシコ単独公演という未知の挑戦に立ち向かった5人は、地元ファン1300人の℃-uteコールとウエーブの中でライブをスタートした。「ブエノスノーチェス!ポルフィンジェゴエルグランディア!(こんばんは!やっとこの日が来たよ)」とスペイン語であいさつすると、序盤からアイドル界随一と言われる激しいダンスとハーモニーでグイグイ会場を引っ張った。
懸念していた事態が起きたのは中盤。標高が富士山5合目とほぼ同じ2240メートルで酸素濃度は海抜0メートルの75%しかなく、観光客の多くが高山病に悩まされる過酷な状況だ。
終演後、矢島舞美(23)が「途中から脚が上がらなくなってヘロヘロ。ヤバかった」、中島早貴(21)も「息が上がって、歌うのがつらかった」と振り返るピンチだったが、合間に酸素ボンベを吸引しながら約2時間、歌い踊りきった。
“決死パフォーマンス”の裏にはレジェンドの金言があった。ライブ前日にシンポジウムでマスカラスと同席。「何かをやり遂げるには努力して、犠牲を払わなくてはいけない。君たちにしかできない個性と観客を一番大事にすることだ」とアドバイスを送られた。
華麗な空中殺法で世界中のファンを魅了し続けてきた仮面貴族の言葉に、世界レベルでの活躍を目指すメンバーは心酔。「もっとファンを大切に、努力しなくちゃ」と話し合い、この日の全力ステージにつながった。
マスカラスは「君たちはセクシーさを磨いた方がいい。12月末に日本に行くから℃-uteモデルのマスクを着用して再会しよう」とも約束。メンバーはそれまでのさらなるレベルアップを誓った。