馳浩氏 レスラー初入閣、猪木氏超え!
第3次安倍改造内閣が7日午後、発足した。安倍晋三首相(61)は、文部科学相に馳浩・元文科副大臣(54)を起用した。文科省によると元五輪選手のトップは初。農相は森山裕・自民党環太平洋連携協定(TPP)対策委員長(70)。新設の「1億総活躍担当相」には加藤勝信官房副長官(59)を充てた。石破茂地方創生担当相(58)ら9閣僚が留任した。女性は1減の3人。初入閣は9人となった。
1984年ロサンゼルス五輪レスリング代表でプロレスラーとしても活躍した馳浩氏が、文部科学相に就任した。
現五輪相の遠藤利明氏とスポーツ庁創設に尽力するなどスポーツ行政への思い入れは強く、就任会見では、2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場の建設について「(旧整備計画が)白紙撤回になったのは大変残念に思っている。プロセスを情報公開し、丁寧に進めていくことが大事だ」と述べた。
皇居での認証式後は、地元石川県の関係者と国会内で開いた就任祝いの会に駆け付け、森喜朗元首相らから出迎えを受けた。会では、皇居から向かう途中に思いついたという「秋晴れや輝き求め文科省」との一句を披露。「文科省は金銭的、物質的な欲望ではなく、人が本来あるべき姿を求める役所で、自覚を持って仕事したい」と解説した。
元教員で教育分野に精通し、文科副大臣時代は周囲の話に耳を傾ける「調整型」との評価。文科省からは「風通しが良くなり、競技場問題もしっかりかじ取りできるだろう」と期待の声が上がる。一方、幹部の一人は、前任の下村氏が大学入試など多方面で改革を進めたと指摘。「レールは下村氏が敷いた。その上を走るだけか、馳色を出せるのか注視したい」と話した。
「これではまるで『スポーツ省』だ」という声も。スポーツ庁長官には五輪金メダリストの鈴木大地氏が就任。若手職員は「馳さんはプロレスラーというイメージが強い。文化や科学技術の政策がどうなるか不安だ」とこぼした。
五輪選手初の文科トップが、どのように存在感を発揮していくか注目される。