テクノポップユニット・Ｐｅｒｆｕｍｅが７日、広島グリーンアリーナで開催したライブ「３：５：６：９」で、デビュー１０周年を記念した１０日間公演を締めくくった。アニバーサリーイヤーのために２年間、温存していた“すごろく”企画では、１０面体サイコロを振って、その場で選曲を決定。結成１５周年の節目でもあり、観客が２人しかいなかった時代も経験している生まれ故郷で、９０００人を前に万感のフィナーレを迎えた。

　笑顔が成長の証しだった。最後のＭＣ、いつもは感極まることが多いあ～ちゃん（２６）が「報われない時期が長かったので、何回も（泣きそうな気持ちが）上がってきて、だいぶこらえました。大人になりました」と笑った。のっち（２７）とかしゆか（２６）が寄り添っている。３人でお辞儀をすると、客席から「ありがとう～！！」の声が降り注いだ。

　デビュー日の９月２１日に始まった１０日間公演中、６日間を占めた「３：５：６：９」の目玉は、用意された１０曲の中からサイコロで選曲する“すごろく”企画だった。

　２年前に構想し、過去の楽曲をライブで披露する最適な手段として周年公演まで温存。狙い通り？サイの目は広島インディーズ時代の「彼氏募集中」（２００１年）など懐かしの楽曲を呼び込んだ。

　喜びも悔しさも詰まった故郷。凱旋公演前、メンバーは結成直後のビデオを見返したという。元日の朝９時半から空箱の上で歌う自分たちがいた。

　広島駅前でライブ告知のためチラシを配ったが、観客が自分たちより少ない２人だったこともある。今は１万人近いファンが目の前にいた。あ～ちゃんは「（昔の曲に）成仏してもらいましょう♪」と、当時とは違う風景を楽しんだ。

　新曲「ＳＴＡＲ　ＴＲＡＩＮ」（２８日発売）では、曲名の隠れワードのように今がスタートラインだと歌った。「見たい景色はまだまだあります」と、あ～ちゃん。３人はこれからも走り続ける。