綾野剛 主演映画で”道警のワル”
俳優の綾野剛(33)が、2013年公開の「凶悪」で映画賞をにぎわせた白石和彌監督(40)のメジャー2作目となる映画「日本で一番悪い奴ら」(来年6月25日公開)に主演することが3日、分かった。北海道警で起きた“日本警察史上最大の不祥事”「稲葉事件」をモチーフに、悪徳警部の26年間を演じる。役作りで体重を10キロ増量し、約1カ月の撮影期間中に10キロ落とすなど、衝撃作に体当たりで挑んでいる。
実際の連続殺人事件を基にした「凶悪」に続き白石監督が選んだのは、2002年に発覚した、北海道警の組織ぐるみのねつ造事件「稲葉事件」。北海道出身の白石監督は「この映画を撮らずに、次のステージには進めない」と同事件をテーマに、“凶悪チーム”を再結集した。
初タッグとなる綾野は「何を犠牲にしても出演するべき作品」とオファーから3日で出演を決意。徹底した役作りで撮影に挑み、「私の役者人生に無二の影響を与えていただきました」と話す。
原作は事件の中心となり、「黒い警部」の異名で呼ばれた稲葉圭昭氏の告白本。綾野は稲葉氏をモデルにした警部の大学時代から逮捕されるまでの26年間を演じる。柔道の有段者だったため、クランクイン1カ月前から柔道をはじめとした総合格闘技を猛特訓。同時にウエートトレーニングで体重を10キロ増量し、鋼の体で6月初旬に現場入りした。
一方、40代で逮捕される際には痩せていたことから7月上旬の撮影終盤に向け、1カ月かけて10キロ減量。ジェットコースターのように体重を増減させた。
道警のため転がり落ちるように悪に染まっていく役柄を熱演した綾野は「情報解禁というだけで、武者震いします。私が来年出演する映画で、もっとも衝撃で愚かで愛おしい、何物にも替えがたい問答無用の最狂最愛物語です」。白石監督も「綾野剛という希代の映画俳優と共に粉骨砕身して取り組みました」と、来年2月の完成に向けて仕上げの作業を続けている。