甘利経済再生担当相が辞任 受領認めた
甘利明経済再生担当相(衆院神奈川13区)は28日、内閣府で記者会見し週刊誌が報じた金銭授受疑惑をめぐり建設会社側から大臣室と地元事務所で現金計100万円を受け取ったと認め、閣僚を辞任すると表明した。
現金は政治資金として秘書に適切に処理するよう指示したと説明。だが国政への影響などを考慮し辞任を決めたと述べた。政権運営に打撃を与えるのは必至だ。安倍晋三首相は後任に石原伸晃元環境相を起用。野党は首相の任命責任を追及する。
目を赤く腫らし、言葉を詰まらせながら、辞意を表明した。「政治家としての矜持(きょうじ)に鑑みて決断した」。金銭授受問題を週刊文春が報じてから1週間。甘利氏は「秘書の監督責任がある」と悔しさをにじませた。「暗たんたる思い」と話し、ハンカチで何度も口元をぬぐった。
甘利氏は千葉県白井市の建設会社側から計100万円を受け取ったと認めた。公設秘書も500万円を受領し、うち300万円は秘書が自ら使って政治資金収支報告書に記載していなかったことも明らかにした。
甘利氏によると、2013年11月14日に大臣室で、14年2月1日に神奈川県大和市の事務所で50万円ずつ受け取った。のし袋や封筒に入っていた。現金は「政治資金として適正に処理するよう秘書に指示した」と強調した。ただ週刊誌が報じたように、その場でスーツのポケットに入れていないと説明。「客の前でポケットに入れる行為が本当だとしたら、政治家以前に人間としての品格を疑われる行為だ」と述べた。
甘利氏が受け取った計100万円は、秘書が14年2月4日、甘利氏が代表を務める政党支部への寄付として処理したという。
甘利氏はまた、13年8月に秘書が建設会社側から500万円を受け取り、うち300万円は秘書が自ら使ったと説明。この300万円は収支報告書に記載がないことを認め「返還に向け、適切に処理するよう指示した」と明らかにした。
秘書2人が建設会社側から多数回の金銭授受や接待を受けていたと認めた。この2人は辞表を提出し、28日付で受理されたという。