新宿ゴールデン街火災、さや侍ショック
東京・歌舞伎町の繁華街「新宿ゴールデン街」で12日午後1時半頃、バーが入る木造2階建ての建物から出火、隣接する木造の建物に燃え移り、計3棟、約300平方メートルを焼いた。
火元の建物の前に住む女性は「大きな音が2回して、見たら火の海になってたのでパニックになりました」と証言。火元からわずか50メートルの至近距離にある吉本興業東京本部は、火災の影響で約1時間半にわたり停電となった。
日本有数の飲み屋街が、炎に急襲された。狭い路地に面して小規模なバーやスナックが密集し、外国人観光客にも人気スポットのゴールデン街。建物から炎と黒煙が上がり、消防や警察車両のサイレンが鳴り響いた。ポンプ車など約40台が出動し、鎮火にあたった。
不幸中の幸いで、逃げ遅れた人はおらず、死者は出なかったが、周囲は様子を見に来た人や報道陣で騒然となり、現場周辺の約500軒が一時的に停電した。
火元の建物の前に住み、煙を吸って病院に搬送された女性が、治療後にデイリースポーツなどの取材に対応。火が出たのは空き店舗となっていた建物2階とみられ、13日から内装工事を控えており、準備が進められていたという。「窓から火が出ていたので119番通報しましたが、火の回りが尋常じゃないくらい早かった」と、出火直後の様子を振り返った。
出火した建物の1階にある飲食店では、吉本興業の用務員で、ダウンタウン・松本人志(52)が監督した映画「さや侍」(2011年公開)の主演に抜てきした野見隆明(59)が週4回、アルバイトのバーテンダーとして働いていた。11日夜も店に出勤しており、関係者によると「ショックだよ、心配だよ…」と憔悴(しょうすい)しきった様子だったという。
警視庁四谷署と東京消防庁はきょう13日に実況検分をして出火原因を調べる。