押切もえ 「山本周五郎賞」候補に
モデルでタレントの押切もえ(36)が執筆した小説「永遠とは違う一日」(新潮社)が、21日に発表された「第29回山本周五郎賞」の候補作にノミネートされた。押切にとって2作目の小説で、昨年、文芸誌「小説新潮」に連載された短編小説6作をまとめたもの。昨年は二科展の絵画部門で入選を果たしており、“表現者”としてさらなる高みに立った。選考会は5月16日に都内で開かれる。
トップモデルとして、画家として、多才な能力を発揮し続けている押切が、新たな勲章を手にした。この日発表された山本周五郎賞の候補作5作に、並み居る有名作家に混ざり「永遠とは違う一日」がノミネートされた。
高校時代から太宰治のファンだったという押切は09年、太宰の生誕100周年を記念した新潮社のフェアにエッセイを寄せた。その文章力が編集者の目に留まり、将来的な小説の出版を依頼された。
押切は小学館「AneCan」の専属モデルのため、13年に出版した処女小説「浅き夢見し」は同社から出版。その後、15年1月から16年1月までに雑誌「小説新潮」で短編小説を6本連載した。
「永遠-」はこの短編小説を1本にまとめ、2月26日に出版した作品。新潮社の編集者によると、連載期間中にも押切の執筆力が急上昇。1年前に自身が執筆した作品に不満が続出し、昨年末から今年の年始にかけ、大みそかと三が日以外は同社に“缶詰”状態で手を入れたという。
同社編集者は本紙の取材に「押切さんはストーリーの作り方がうまく、もてる全てのアイデアを1作につぎ込むため、非常に濃密な作品を書かれます。本をよく読まれているというのがわかる」と絶賛。同賞は過去、89年に吉本ばなな氏の「TUGUMI」が受賞。11年には昨年、ドラマ化され大ヒットした池井戸潤氏の「下町ロケット」がノミネートされており、押切もすでに一流作家の仲間入りを果たしたと言える。
昨年は、同じく太宰を崇拝するピース・又吉直樹(35)が「火花」で芥川賞を受賞し、大きな話題となった。押切が山本周五郎賞を受賞すれば、さらに芸能界に「小説ブーム」が巻き起こる可能性も十分だ。
プライベートでは、千葉ロッテのエース・涌井秀章投手(29)との交際を明かしている押切。公私ともに充実のときを迎えている。