小田和正 被災地思い、涙で歌えず

 シンガー・ソングライターの小田和正(68)が30日、静岡エコパアリーナで全国ツアー「君住む街へ」(10月30日沖縄・宜野湾海浜公園野外劇場まで24会場48公演)をスタートさせた。リハ中の14日に熊本地震が発生し、開催を悩んだという小田。アンコール前最後の曲「君住む街へ」を“そんなに自分を責めないで 死にたいくらい辛くても…”と歌い始めたところで、涙で歌えなくなったが、8千人のファンの大合唱に後押しされ、涙をぬぐい、歌いきった。

 2011年の東日本大震災の際も直後にツアーが控えていた。「精神的にも物理的にもツアーは無理」という気持ちと葛藤しながら、被災地での公演を延期し、1カ月遅れで開催。今回もツアー直前に地震が起こり、このままやっていいのか、という思いに襲われたという。それでも、「自粛・延期ではなく、できるだけ前に進む、という気持ちを届ける」と予定通り開催を決断した。

 被災地の状況を「固唾をのんで見守ってきた」という小田は、ライブ冒頭、「自分たちが何をしていったらいいのか、というのはツアーを続けながら考えていきたい」と話した。「my home town」を歌う前には「故郷(ふるさと)が傷ついたりすることはとっても辛いことです。皆さんも故郷を大切にしてください」と観客に語りかけた。

 オリコンチャートでアルバム首位獲得最年長記録(68歳7カ月)を樹立した3枚組ベスト盤「あの日 あの時」(4月20日発売)をひっさげてのツアー。16日の本震後の17日にはスタッフに電話し、「発売やめられる?」と相談していたという。発売3日前のことだった。

 暴飲暴食を避け、酒は打ち上げの乾杯程度。できる限りジムで走り、スタジオにこもりっきりの時でも体幹トレーニングを行うなど、ケアを欠かさない。前回のツアー終了から1年1カ月での新しいツアースタートはソロ転向後、最短記録。「スタッフに『もう1回元気なうちにみんなの顔を見といた方がいい』と言われて。それもそうだな、と」とジョークまじりに笑った。

 ツアー中には69歳の誕生日を迎える。年齢的なことから次のツアーは未定。少しでもファンのそばにいきたい、とアリーナには花道が巡らされたが、転落などケガを心配し、スタッフは“ダッシュ禁止令”。それでも2曲目の「こころ」で全力疾走。計29曲、3時間の“超人”ステージを繰り広げた。

 なお、5月14、15日の大分・別府公演は予定通り開催する。

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