３月１１日に乳がんの切除手術を受けた女優の南果歩（５２）が１５日、東京・新国立劇場で主演舞台「パーマ屋スミレ」（１７日初日）のＰＲ会見を行った。

　復帰後、初の公の場で元気な姿を見せた。南は、夫の俳優・渡辺謙（５６）の胃がん手術のため、病院に泊まり込みで看病した際、人間ドックを受診。ステージ１の乳がんが見つかった。４月１２日の今作のけいこで仕事を再開したが、「精神的に次のことを考えることができなくて、１日１日、生きることに必死な状況でした。この作品で（自身の姿を）皆さんにお披露目できるとは、２カ月前には考えられなかった」と命の重みをかみしめた。

　先月下旬には、渡辺がけいこ場を激励訪問。夫の心遣いに「差し入れを持ってきてくれましたが、何の連絡もなくて。サプライズというカッコいいものではなく、連絡不行き届きです」と照れ笑いを浮かべ、「謙もこの作品がすごく好きで、（２０１２年の）初演は１０回以上切符を買って見に来てくれました。彼も『舞台の仕事をやりたい』と変わったみたい」と打ち明けた。

　また、１２日に死去した演出家・蜷川幸雄さん（享年８０）が手掛けた、００年の舞台「グリークス」に出演。「蜷川さんの情熱はいろんなところで広がっている。存在が大きすぎて、まだ送る言葉は浮かばない」と悼んだ。