北海道 不明男児6日ぶり保護
北海道七飯町の林道で行方不明になっていた北斗市の小学2年、田野岡大和君(7)が3日朝、鹿部町の陸上自衛隊駒ケ岳演習場内で保護された。5月28日に行方不明になってから6日ぶり。「水を飲んで過ごした」と話しており、目立った外傷はなかった。搬送先の函館市内の病院で、両親や姉と再会した。
父親の貴之さん(44)は病院で記者会見し「息子に大変つらい思いをさせてしまった。ご迷惑をおかけし、深くおわびいたします」と謝罪した。
同演習場は不明現場の林道から約5キロ。訓練中の隊員が午前7時45分ごろに施設に立ち寄ると男児が立っていた。「大和君」と呼び掛けると、「うん」と返事。かなり空腹の様子で、おにぎりを差し出すとすぐに食べた。北海道警によると「一人で山の中を歩いて、28日夜から演習場にいた。食べ物はなかった」と話している。
施設は板張りで電気やストーブは使えず、隊員用に準備されていた複数のマットレスから2枚を抜き取り、間にくるまって眠っていたという。陸自が同施設を5月30日午前に点検した際には姿はなかったという。
医師は会見で「軽い脱水症状で体温が低いので点滴している。両手両足に軽い擦過傷があるがいずれも命に関わるようなものではない」と説明した。
田野岡君は28日、家族4人で訪れた公園で人や車に石を投げ付けたため、しつけとして、同日午後5時ごろ、林道で車から降ろされ、その後行方不明に。道警や消防、陸自が最大約200人の態勢で現場周辺の捜索を続けたが、手掛かりが見つからず、6月2日夜に規模の縮小を決めていた。陸自演習場は捜索の対象外だった。