ロック歌手の内田裕也（７６）が８日、政治資金流用疑惑の渦中にある舛添要一都知事（６７）への一般質問が行われた都議会の一部を傍聴した。前日にツイッターで「久しぶりに都庁に行く。興奮して野次らなければいいのだが。ＲＯＣＫ’Ｎ　ＲＯＬＬの血が騒ぐ！！」と予告しての“襲撃”。与党の追及への物足りなさを口にした上で、「（舛添知事は）ロック？フォークソングだ。辞めた方がいい」とほえまくった。舛添知事は給与の５０％を減額する意向を表明した。

　トレードマークのサングラスにスーツ、つえを持ち、内田は傍聴席で開始から約２時間、にらみをきかせた。ヤジを飛ばすことはなかったが、休憩時間に報道陣に囲まれるとロック魂がオン。第一声から「なんなんだ、これは！？」と舛添都知事への追及の甘さを怒りモードで指摘した。

　自身が傍聴した時間帯では自民、公明の議員が知事の基本姿勢、政治姿勢を問いながらも、防災対策や教育問題に時間を割いたことに納得がいかない様子。「質問、メチャつまんなかった。ほとんど舛添の進退問題についてやるべきじゃないの？与党に危機感がない。安倍首相は３０分でいいから見に来たらいいよ。このままじゃなれ合い、出来合いレースだ！！」と失望を隠さずにシャウトした。

　０９年には行政刷新会議の「事業仕分け」作業を数回、傍聴して「ロック界の代表として政治に無関心でいられない」と信条を語った。９１年には都知事選に立候補（落選）した経緯があり「都知事にならなくて、よかったよ」と繰り返した。

　初めて生で見た舛添知事について「元気がなかったね。あのパワーで都知事をするのは無理。（舛添知事は）ロック？フォークソングだ。ロックを、どこに感じるんだよ」とばっさり。

　知事の釈明への不満を“フォークソング”にたとえ「言うことだけ言って何もやらない。（かつてフォーク歌手は）『テレビに出るやつは体制派』なんて言ってたけど、今、出まくってるじゃん。（都知事は）もっとはっきりと『ここはウソです。申し訳ありません』と男らしく言えばいいんだよ」と持論を展開した。