野々村被告に懲役3年執行猶予4年 紙袋手に短髪メガネ姿

車両の後部座席で顔を伏せて神戸地裁に入る野々村竜太郎被告(手前左)=神戸地裁前
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 政務活動費913万円をだまし取ったとして、詐欺罪などに問われた“号泣元県議”こと元兵庫県議の野々村竜太郎被告(49)の判決公判が6日、神戸地裁で開かれた。佐茂剛裁判長は懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)の有罪判決を言い渡した。

 この日は白い紙袋を手に入廷。髪は頭頂部以外は短く生えており、裁判ではおなじみとなったメガネ姿。白い半袖ワイシャツに濃いグレーのズボンを着て、緊張した様子。証言台に立つ際、「もっと中央に寄って」と指示され、ぎこちない動きで小刻みに移動。判決に聞き入った。

 裁判の2時間半前の6日正午には自身のブログを更新。「県民の皆様」と題し、「私は、深く反省し、心より謝罪し、二度とこのような事件を起こさないよう、誓約致します。大変申し訳ございません。」と記していた。

 3年間で計344回の日帰り出張を計上するなど、不自然すぎる政務活動費を巡る問題は14年6月に発覚。同年7月の釈明会見で大号泣したことで海外からも注目され、失笑を買った。

 議員辞職し、政務活動費約1800万円を全額返還したが、兵庫県警が捜査に着手し、15年8月に神戸地検が在宅起訴した。

 15年11月に初公判が予定されたが、野々村被告は自宅周辺に報道関係者がいるなどと騒ぎ、公判をドタキャン欠席。今年1月には、神戸地裁が発布した「勾引状」によって神戸地検が身柄拘束し、1月26日の初公判に強制出廷させた。

 以降、3度の公判で野々村被告は、「解離性健忘症の可能性」を主張。政務活動費に絡む質問に対しては、150回以上「記憶にありません」との主旨の答弁を貫いた。

 一方で右耳でないと言葉が理解できない旨を訴え、左側にいる検察官に対し、窮屈なまでに体をねじまげて右耳を向ける“聞こえませんポーズ”を繰り出し、検察官が「その格好、もういいです」と返したことも。

 4月の求刑公判では、最終の意見陳述で書面を読み上げ「このような事件を2度と起こさないこと、ひとりでも多くの方を幸せにすること、少なくとも、ご迷惑をおかけしないことを誓約します」としていた。

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