「エ~ッ!」 鳥越氏“40秒演説”に炎天下の巣鴨有権者拍子抜け
東京都知事選(31日投開票)は18日、告示後初の連休の最終日を迎え、有力候補が精力的に動いた。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)=民進、共産、社民、生活推薦=が“40秒演説”で聴衆をあ然とさせれば、元防衛相の小池百合子氏(64)のもとには“エコの同志”であるアルピニストの野口健氏(42)が駆けつけた。都知事選には他に元総務相の増田寛也氏(64)=自民、公明、日本のこころ推薦=ら計21人が立候補している。
“おばあちゃんの原宿”巣鴨に「エ~ッ!?」と、大きなどよめきが起こった。鳥越氏はとげぬき地蔵の参道を練り歩き、予定時間を超えて有権者と握手。大歓声で迎えられて演壇に登ったが、マイクを持った時間はわずか40秒ほどだった。
その内容も、友人で歌手の森進一(68)が応援に駆けつけたため「今日は40年来の友人である森進一さんが来てくれた」と紹介したのみで、政策の説明などは一切なし。森も「歌って!」の声に「♪え~り~もの~」とヒット曲「襟裳岬」のサビの一部をアカペラで歌い盛り上げたが、登壇時間は2人で計2分半ほどだ。
鳥越氏は次のスケジュールがあるため再登壇せず移動し、炎天下で待っていた有権者は拍子抜けした様子。「鳥越さんの話を聞きたいのに」「もっと政策を聞きたかった」との声があちこちから聞こえた。中には「もっとしゃべれよ!」「逃げるな!」などの罵声も。
その後、自身の名前と同じ台東区の鳥越神社で必勝祈願。取材に応じた鳥越氏は“40秒演説”の真意を「ご年配の方が多い。暑い中で長くやっていると熱中症とかの問題も出てくる。天候も考えて、手短にごあいさつという形にした」と、多く集まっていた高齢者への配慮だと説明した。
午後4時からの「渋谷大街宣」では「住んでよし!働いてよし!環境よし!」を軸にした政策に加え、脱原発を掲げるなど約17分間も熱弁を振るい、「手応えはものすごくある。街頭演説で私の話への反応がある。戦いの甲斐がある」と、手応えを強調していた。