巨泉さんがん闘病11年 寿々子夫人、最愛夫に「アッパレを」
12日に急性呼吸不全のため、82歳で死去した大橋巨泉さんの妻・寿々子さんは20日、報道各社にファクスでコメントを発表した。最愛の夫の旅立ちを「闘病生活に“アッパレ!”をあげて下さい」とたたえるとともに、死去直前の在宅介護中に鎮痛剤を過剰投与されたことに対する不満もあらわにした。また、巨泉さんを師匠と慕ってきたキャスターの小倉智昭氏(69)も「恩人でした」と悼んだ。
47年間連れ添った最愛の夫の旅立ちに、ショックは隠しきれなかった。寿々子夫人はコメントで「何処に行くのも、何をするのも一緒でという生活を重ねてきたのでいまだに心落ち着かず」と、取材に応じられない心境を吐露。その上で「どうぞ大橋巨泉の闘病生活に“アッパレ!”をあげて下さい」と、最後まで戦い抜いた巨泉さんをたたえた。
恰幅(かっぷく)の良かった巨泉さんだが、長い闘病によって体重は40キロ台前半まで落ちていたという。最後の様子を寿々子さんは「会話をする気力も無く、頷いたり、手を強く握ったり、目元や口元の動きなどで意思を伝えてくれました。そして最後は眠ったまま静かに旅立ちました」と説明した。
2人は1969年に結婚。巨泉さんは再婚で当時35歳、寿々子さんは21歳の“年の差婚”で話題となり、巨泉さんも後に自著で「『プレイボーイの美少女誘拐』と揶揄されながら」と記した。
そんな巨泉さんの素顔を、「夫は自他共に許す“わがまま”と言われ、痛い事や辛い事、待つ事、自分の意にそまないことは“避けて通る”」と紹介。それでも05年の胃がん手術以来、中咽頭がん、腸閉塞など続いた11年間の闘病生活を耐え抜いた姿を「4月からの3ヶ月間は死を覚悟し、全てを受け入れ、一言の文句も言わず、痛みも訴えずに、じっと我慢をしてくれました」と述懐した。
医師から死因として、「最後に受けたモルヒネ系鎮痛剤の過剰投与による影響も大きい」と伝えられたことも告白。そして「もし、一つ愚痴をお許し頂ければ、最後の在宅介護の痛み止めの誤投与が無ければと許せない気持ちです」と怒りもつづった。
7日に83歳で死去した親友・永六輔さんの訃報は「ショックの大きさを考えて伝えませんでした」と明かした。