高畑裕太容疑者 強姦行為に未遂の可能性排除できず 「行列」北村弁護士が指摘

 俳優の高畑裕太容疑者(22)が強姦致傷容疑で群馬県警に逮捕された。調べに対し、同容疑者は「女性を見て欲求を抑えることができなかった」と供述している。強姦致傷は重罪ということもあり、このまま起訴されるとみられる。いったいどのような判決が待っているのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に聞くと、「犯行の詳細が報道でしか分からないが」とした上で2つの重要なポイントあげた。

 強姦致傷は刑法181条により、「無期または5年以上の懲役に処する」と定められている。短くても「5年以上」であるため、このままでは執行猶予は付かない。懲役刑について執行猶予が付くのは「3年以下」の場合だけだからだ。

 それでも「酌量減軽」がある。犯人の犯行後の反省など、一切の事情を考慮して裁判所の裁量によって刑が減軽されることをいう。法定刑の下限を半分にすることができ、本件の場合は2年6月以上となる。つまり「3年以下」の懲役刑を課することができ、結果として執行猶予判決を得る可能性が出る。

 2つの重要なポイントはここで関わってくる。1つは被害者への真摯(しんし)な謝罪と示談。慰謝料の支払いを含めた心からの謝罪によって被害者の処罰感情が消滅または減少し、その結果示談が成立することが「一番大切なこと」と北村弁護士は指摘した。

 もう1つ重要なことは高畑容疑者がどのような暴行を加えたのか。被害者の抵抗にあってさらに暴行を加えたのか、あるいはすぐにあきらめたかだ。

 北村弁護士は「現状では報道でも犯行内容の詳細は分かっていない」とした上で、強姦致傷という行為は強姦行為そのものはどうであれケガを発生させた時点で既遂となるものだが、強姦行為そのものについては未遂に終わっている可能性を排除できないことを指摘した。群馬県警によると、高畑容疑者が「歯ブラシを持って来て」と女性を部屋に呼び出したのが午前2時から同2時25分ごろ。同3時32分には女性の知人から110番があり、犯行時間は長いものではない。また、被害者のケガも加療1週間の打撲で軽傷であることを考えると、行為そのものは未遂の可能性がある。「示談が成立し、抵抗にあってすぐに強姦行為はあきらめた」。この2つがあれば酌量減軽となる可能性もあり、執行猶予も0ではないと北村弁護士は見解を示した。

 さらに北村弁護士は重要な指摘をした。強姦目的で暴行を働いたのか、それともわいせつ目的で暴行したのかは内心の問題なので客観的には分かりにくい。そもそもの容疑も強姦致傷ではなく、強制わいせつ致傷となる可能性もあるという。強制わいせつ致傷は「無期または3年以上の懲役」とあり、酌量減軽がなくても執行猶予判決が可能だ。

 高畑容疑者が警察の取り調べに素直に応じ、言われるがままに認めてしまったことも考えられ、今後、弁護人が高畑容疑者から詳しく事情を聞いて「強制わいせつ致傷」として罪状を争うことも十分に考えられるという。

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 北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(まぐまぐ)」を配信中。

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