日野皓正 東京JAZZ最終日に登場 新進気鋭カルテットと

 国内最大級のジャズフェスティバル「第15回東京JAZZ」が4日、最終日を迎え、東京国際フォーラムで世界的トランペッターの日野皓正(73)が昼の部のトップで、1985~92年生まれの新進気鋭カルテット「石若駿PRJECT67」と共演した。

 10年前に札幌で出会った若い4人が、「夢の舞台」(石若)である東京JAZZで再結集。「僕たちがジャズを始めるきっかけ」(同)である超大物・日野を迎え、サックスの寺久保エレナ(24)、ドラムスの石若の名を付けた日野作曲の「ERENA」「SHUN」を共に演奏した。日野も石若のドラムソロにマイクを握ってスキャットを合わせるなど、ノリノリだった。

 昼の部のトリは伝説のグループ「セルジオ・メンデス&ブラジル’66」デビューから50周年を迎えたブラジルの大御所セルジオ・メンデス(75)。おなじみの大ヒット曲「マシュ・ケ・ナダ」「ルック・オブ・ラブ」「フール・オン・ザ・ヒル」などで、50年の集大成ステージを見せた。

 夜の部の、そして今年のトリは、ベースのアンソニー・ジャクソン(64)、ドラムスのサイモン・フィリップス(59)とのザ・トリオ・プロジェクトの新作「SPARK」が今年、米ビルボードのジャズチャートで初登場1位を獲得する快挙を達成したピアノの上原ひろみ(37)。

 本番まで1カ月を切った8月10日、ジャクソンとフィリップスが健康上の理由で出演不能となる大ピンチが発生。「2人同時にこのような事態になるとは思わず、とてもショックを受けています」と語っていた上原だが、2014年の東京JAZZでも上原とのデュオで名演を披露したグラミー賞ピアニストのミシェル・カミロ(62)が、緊急出演を受諾した。

 上原は「今は、置かれた状況の中で、自分が最善と思えるやり方を選び、それが最善の選択だと信じて、進むことしかできません。次の一本に向けて、全力を尽くしたい」という事前の言葉通り、カミロと「トロピカル・ジャム」「キャラバン」「A列車で行こう」などで、またも圧巻の演奏を繰り広げた。

 声を上げ、脚を跳ね上げ、立ち上がり、表情をくるくると変える天衣無縫なパフォーマンスも、ショックを感じさせないもの。上原は「この1本のギグのためだけに、はるばる日本まで来てくれた(カミロはドミニカ出身)ミシェル・カミロに大きな拍手を!」と、感謝していた。

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