豊洲市場建物下へのコンクリート案 石原氏が指示認める
元東京都知事の石原慎太郎氏は17日、都内で取材に応じ豊洲市場の建物下にコンクリートの箱を埋める案について、これまでの発言を修正、「(自分が)専門家から聞き、都の幹部に検討したらどうだと言っていた」と述べた。検討を指示した後は「コンクリート(で地下空間)を造る計画は一切報告を受けていない」と説明した。
石原氏は知事だった08年5月の定例会見で、海洋工学の専門家が「(土壌汚染対策は)違う発想で考えたらどうか」と発言していると紹介。長所として工費の安さや工期の短さを挙げ、当時の担当局長にコンクリ案を検討するよう伝えたことを明らかにしていた。
しかし、15日の取材には「都庁の役人からそういう情報を聞いたから、そういう意見があると取り次いだだけ」と発言していた。
当時の都中央卸売市場長によると、コンクリ案は石原氏の指示を受けて検討したが、余計に費用がかかるため断念すると石原氏に報告し納得してもらったという。都はその後、09年7月から10年7月までの間に、盛り土を実施しない工法の採用を決めたとみられる。