「サクラダリセット」 野村周平主演の2部作で奇跡の映像化!
俳優の野村周平(22)が、映像化不可能と言われた同名小説を2部作で描く映画「サクラダリセット」(前後編を来春2カ月連続公開)に主演し、記憶保持の特殊能力を持つ高校生を演じることが21日、分かった。
住人の半数が特殊な能力を持つ地方都市・咲良田を舞台に、主人公たちが能力を結集して死んだ友人を再生させようと奮闘する物語。「過去に体験したすべての記憶を保持する」役の野村はほぼ全編に渡って声が流れており、自身最多の膨大なセリフ量にも挑んでいる。
原作は2009年から3年かけ、全7巻で完結した青春ファンタジー小説。能力者が珍しくない架空の都市で「記憶保持」の主人公と「世界を巻き戻す」ヒロイン(黒島結菜)が、死んでしまった同級生を助けるために「時空を超えて声を届ける」「モノを消す」などの仲間たちと力を合わせていく。
パズルのように緻密なストーリーが人気を博し、何社もが実写化に動いたが「特殊能力が入り乱れるルールの複雑さ」や「中盤の大どんでん返し」に行き詰まり、断念してきた“問題作”でもある。
課題を克服するため、春名慶プロデューサーは2部作にすることを選択。登場人物をじっくりと描写し、物語がガラリと変わる前半と後半の色を分けることで実写化を成立させた。公開劇場数は200館ほどと中規模で、近年2部作公開された「るろうに剣心」や「進撃の巨人」などの大作と比べると異色だ。
フジテレビ系“月9”ドラマ「好きな人がいること」でのチャラ男キャラが記憶に新しい野村だが、今回はクールな頭脳派。主演映画5作目にして、春名氏が「推理したり仮説を立てたり、常にセリフが流れている」と表現する、膨大なセリフ量と格闘している。
黒島や平祐奈(17)、初の金髪姿となる恒松祐里(17)らフレッシュな共演者たちと17日にクランクイン。撮影期間は約2カ月で、野村は「セリフも多く、特別な能力の持ち主という今までに演じたことがない役柄なので、挑戦的な部分もあるし、頑張りたいです」と意気込んでいる。
映画と同時期にテレビアニメ化され、コミカライズやノベライズも予定。原作の出版社・KADOKAWAらしい多面的なメディアミックスを展開していくという。