テントさん 告別式に芸人仲間ら200人 最新の名刺の肩書は「架空の人物」
芸能界を引退した上岡龍太郎さん(74)の弟子で、27日に交通事故死した漫談家のテント(本名三浦得生=みうら・とくお)さん(享年65)の葬儀・告別式が30日、大阪府八尾市の「八光殿南植松 家族葬会館リエラ八尾南ホール」で営まれた。葬儀には親族、上岡さんのほかに、落語家の桂あやめ(52)、同じく上岡さんの弟子だったタレントのぜんじろう(48)ら芸人仲間も含む約200人が訪れ、別れを惜しんだ。
めったに姿を見ることのできない“ツチノコ芸人”の異名を取ったテントさんだが、最近は自身の名刺の肩書を「架空の人物」としていたという。テントさん、桂雀三郎(67)らとともに新ネタを披露する「アルカリ落語会」を開催していたあやめは「いなくなってもドラえもんみたいにキャラクターとして存在してる。だから心の中からいなくなることはないんです」と思いをはせた。
芸人であることへのこだわりも強かったようで、いい収入源になる司会の仕事も一切受けなかったという。あやめは「“司会はパッケージ(包み紙)、ぼくはその中身でいたい”って言ってました。ネタだけで生きていく人でした」としみじみ。芸人であることを貫いた仲間を「かっこ良かったです。誰もまねできないですね」と誇った。
テントさんは27日夜、大阪市内の交差点で横断歩道を渡っていた際に乗用車にはねられ、搬送先の病院で亡くなった。