ゲス川谷 未成年者と飲酒した法的責任は 「行列」北村晴男弁護士に聞く
ロックバンド「ゲスの極み乙女。」の川谷絵音(27)が、タレントのほのかりん(20)が未成年だった当時にともに飲酒した事実を認め、活動を自粛することを公表した。未成年者と飲酒した川谷にはどのような法的責任が生じるのか。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演する北村晴男弁護士に聞くと、「わずかに違法行為と言えるかもしれないが犯罪ではない」と述べ、川谷が処罰されることはないとの見通しを示した。
未成年者の飲酒は「未成年者飲酒禁止法」によって禁止されている。未成年者の親権者や監督代行者に対して、未成年者の飲酒を知った場合に制止する義務があることを規定。また、未成年者自身が飲酒することを知りながら未成年者に酒類を販売した営業者には50万円以下の罰金が科されることなどが規定されている。
未成年者と一緒に飲んでいることがすなわち監督代行者に該当するのか。北村弁護士は「代行者の範囲が法律上、明確になっていないが」と断った上で、一緒に飲んでいるだけでは「監督義務はない」述べた。義務を負うのは、例えば親から未成年者を預かった人や未成年者が通う学習塾の講師らだ。
未成年に飲酒を禁じているのには理由がある。お酒に慣れていない段階で飲んでしまうと急性アルコール中毒になる可能性があり、最悪の場合は死に至ることも珍しくないからだ。ほのかりんが万が一、急性アルコール中毒に陥ってなんらかの障害が生じた場合、川谷はほのか側から損害賠償請求される可能性はあったのか。
北村弁護士は「飲ませ方による」と指摘。例として、大学生サークルの新入生歓迎コンパにおける急性アルコール中毒患者の発生をあげ、上級生という下級生より優位に立っている側が嫌がっている下級生に対して半強制的に飲ませたら「責任を負う」と指摘。しかし、未成年者本人がすすんで飲酒し、結果的に中毒になっても責任を負う可能性は「極めて少ないだろう」と述べた。
川谷はベッキーとの不倫騒動では謹慎も自粛もせず、ベッキーだけが謹慎に追い込まれた。今回は自身も自粛。法的責任を問われることは無さそうだが、バンドメンバーやファンら多方面に大きな迷惑をかけ、代償は高く付いた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
北村晴男(きたむら・はるお) 弁護士。長野県出身。日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演。趣味はゴルフ、野球。月2回スポーツなど幅広いテーマでメールマガジン「言いすぎか!!弁護士北村晴男 本音を語る(まぐまぐ)」を配信中。