小籔 竜じい悼む「恩人でした」

 5日に高度肺気腫のため亡くなった“竜じい”こと吉本新喜劇の役者、井上竜夫さん=享年74=を追悼するMBSの特番「天国におじゃましまんにゃわ」(13日、午前10・25)の収録が12日夜に行われた。

 収録は井上さんが活躍した大阪・なんばグランド花月の舞台で行われ、桑原和男、池乃めだから新喜劇メンバーが生前をしのんだ。

 収録に参加できなかった新喜劇座長の小籔千豊は追悼コメントを寄せ、自身が入団2年目で色々と悩みがあった時期に、仕事の打ち上げの際に井上さんに呼ばれ、「長いことやっていると、あの時、もう少しこうしていれば良かったと後悔することがある。小籔君は後悔しないように、好きなことをやりなさい。思っていることをやった方がいい、期待してる」とアドバイスされたことを明かした。

 小籔は「それで僕の芸人としての方向性が決まった。恩人です」と感謝。フジテレビ「人志松本のすべらない話」で、井上さんが合コンに付いて来て困ったネタを披露して話題になった際には、「すべらない話で話題にしたことを報告した時も、喜んでくださった」と明かし「そんな笑顔ももう見られない。竜じいを知る人にいろんなところで竜じいのことを話してもらえれば…」と悼んだ。

 また出演した新喜劇座長の内場勝則は、井上さんが舞台でセリフを話すうちに眠り込むギャグを“眠り忘れ”て飛ばしてしまった際に、後で「竜じい、今日は寝えへんかったな」と突っ込むと、井上さんが「そやねん、最近寝られへんねん」となぜか私生活で寝付きが悪い話をはじめた天然エピソードを明かした。

 長年、井上さんと舞台をともにした桑原は「入団の時のことは覚えてます。まだ20歳で。純朴な青年やなと思った」と回顧。「若い頃の父親役は本当に良かった。メリハリがあって、あったかくて。風格のあるお父さん役やった」と、その演技力の高さを惜しんだ。

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