「ももち」の愛称で親しまれる嗣永桃子（２４）が、来年６月３０日をもって芸能界引退することが５日、分かった。

　「プレーイングマネジャー」を務める女性アイドルグループ、カントリー・ガールズが都内で行った結成２周年コンサートで発表した。今後は幼児教育の分野の勉強を深め「いずれ仕事にできれば」と説明した。

　グループは来年７月以降、５人で活動を継続する。嗣永が℃－ｕｔｅ鈴木愛理、夏焼雅と組むＢｕｎｏ！については「継続するかは未定」という。

　６月３０日は２００２年にハロプロキッズのオーディションに合格した“アイドルももち”の誕生日。Ｂｅｒｒｙｚ工房からカンガルまで駆け抜けた１５年目の節目にアイドルどころか芸能界からも卒業する決断をした。

　コンサートのアンコールでカントリーとハロー！プロジェクトからの卒業を報告すると、ファンからはどよめきが起きた。「頼もしくなったメンバーがいて、自分のことのようにうれしくなったり寂しくなったり、いろんな思いを感じた。これからは自分の興味があった幼児教育を勉強してお仕事にできたらいいなと思います。あと８カ月間、アイドルとして芸能人として悔いが残らないように頑張りたい」と語ると、他のメンバーは涙を流した。

　今後はもう一つの夢だった幼児教育の道を目指す。「アイドルと同じくらい子供が好き」という嗣永は、これまでも芸能活動と並行して大学に進学し教育学を専攻し、１２年には小学校で教育実習も行うなど、準備をすすめてきた。具体的な方向性はまだ決めていないが「改めて勉強に専念。いずれお仕事にしたい。歌とかダンスとかアイドル活動で得たことを教育に生かしたい」という。

　０４年に結成したＢｅｒｒｙｚ－が無期限活動停止した１５年３月にカントリー－に加入。さらなるアイドル道を究める選択をしたが、当初から「２、３年で他のメンバーを一人前にするまで」と決めていた。２年間、素人同然だったほかのメンバーに私生活を含めアイドルとしての立ち居振る舞いを教育。「みんながたくましく成長してくれて、次は私の番だ」と“親離れのとき”を実感した。

　グループは解散せず、５人で活動を継続する。嗣永に代わって最年長となる山木梨沙（１９）は「寂しくないといえば嘘になるけど、卒業を聞いても驚かなかった。２年間、ももち先輩の光輝く背中をずっと見てきていたので、成長につなげていきたい」と宣言した。

　すっかり頼もしくなったメンバーに“安心半分寂しさ半分”の様子だったももち。「芸能界にとどまらず、世界中の人が悲しんでいると思うけど、許してニャン。残りの時間を完全燃焼できる幸せな時間にできるようにしたい」と残り８カ月間のアイドル生活を満喫することを誓った。