日野皓正 マイルス・デイヴィスを「オヤジ」と慕う 落語の師匠のようなもの
日本を代表するジャズ・トランペッターの日野皓正(74)が13日、都内で行われた映画「ブルーに生まれついて」(26日公開)と「マイルス・デイヴィス 空白の5年間」(12月23日公開)の試写会でトークショーを行った。
ともに米国のジャズ・トランペッター、チェット・ベイカーとマイルス・デイヴィスをテーマとした映画で、日野は「チェットとはあんまり関わりがないけど、オヤジがよく聴いていた。何だこの女の人はと思っていた。ハスキーでセクシーな声なんだよな」と振り返った。
日野はマイルスをトランペットの世界で「オレのオヤジ」と呼んでいるそう。「落語の師匠のようなもの。マイルスをコピーしてすごい音を出してやろうとやってきた」とマイルスの“息子”を自認。アル・フォスターの家にマイルスから電話がかかってきた時に、電話口でトランペットを吹き「サウンズ・グッド!」と褒められたエピソードも披露した。
日野は演奏で上唇が破れることが多く、マイルスから「もっと下の唇を使え」とアドバイスをもらったという。「70を過ぎてから、その言葉を思い出して吹いたら、すごくいいわけ。やっぱりオレのオヤジなんだ」と改めて実感したことを語った。