アースシェイカー デビュー40周年「未来に向かう」ボーカル・西田が語るブームと現在地

 1980年代に日本のハードロック/ヘビーメタル(HR/HM)ブームをけん引したバンド、アースシェイカーが今年、デビュー40周年と結成45周年を迎えた。今秋、記念アルバム「40」をリリースしたアースシェイカーから、ボーカルの西田“MARCY”昌史(64)がデイリースポーツのインタビューに応じ、往時のHR/HMブームとバンドの現在地を語った。

 デビュー時のメンバーは全員が今も在籍し、もう1人の永川敏郎も加入から37年がたつ。解散期間もあるが5年ほどで、再結成からでも24年がたった。

 固い結束の理由を、西田は「ファンの方の応援じゃないかな」と言う。具体的には、解散中に行った、デビュー前から世話になっている京都の老舗ライブハウス「磔磔」の25周年記念ライブでの経験が大きかった。

 「ファンの方の声とか表情を見た時、この人たちのためにやらなきゃと思った。僕も一人の人間として、応援しているアーティストってずっとやってもらいたい。あれだけ好きで応援したのになんで解散する?って、寂しい思いをするじゃないですか」

 また、「長く続けると、そのメンバーでしかない音が出来上がってくる。一人代わったら今のアースシェイカーの音ってなくなってしまう」というのも、大きな理由だ。

 80年代はラウドネス、44マグナムとの御三家的な存在でHR/HMブームの中心にいたが「ヘビーメタルってフレーズが登場して、そこにまとめましょうみたいに業界がなってただけ」。ジャンル意識はなかったという。

 「やりたかったことを自分のスタイルで表現していただけ」で、ラウドネスや44マグナムへのライバル意識は「そう(意識)してませんよ。頑張ってやっていこうみたいなお友達」と否定する。

 西田はそれぞれの個性を「ラウドネスは突っ走ってる、世界に通用するラウドネスでしょ。44はギンギラギンっていうか、ハードな、ちょっと不良チックなサウンドを持っていて。アースシェイカーは歌や歌詞、メロディーをすごく大切に表現する」と説明した。

 40年という歳月には「20代のやんちゃな頃に、60までやってるなんてとても考えてない」と笑う。記念の本作は、80年代のようなサウンドやデビュー前のサウンドなど「積み重ねてきたもの全て」を「経験を積み重ねてきた自分らが意識して作るのもいいよねと思って作った」という。

 往年のファンが「納得できるような雰囲気は作ろうよっていう曲作りはしましたね」というバンドの歴史に、「今の自分らがやりたいことも重ねながら」現在形のアースシェイカーを融合させて、「40」は制作された。

 世界観を作りつつも聴き手の解釈に委ねるような歌詞は、全て西田が書いている。

 「それぞれがアースシェイカーに対する思いも違うし、それぞれの人生もあるから、聴き手に任せる。みんなアースシェイカーを人生に刻んできてくれたわけですよね。それぞれのアースシェイカーを重ね合わせられるかなと思うものを書きたかった。応援してくれてありがとう、そしてまた未来に向かおう、みたいな思いで書いたのは間違いない」

 聴き手に寄り添いながら、アースシェイカーは走り続ける。

 ◇EARTHSHAKER(アースシェイカー)メンバーは西田“MARCY”昌史(ボーカル)、石原“SHARA”愼一郎(ギター)、甲斐“KAI”貴之(ベース)、工藤“KUDO”義弘(ドラムス)、永川“TOSHI”敏郎(キーボード)。1978年結成。83年、アルバム「EARTHSHAKER」でメジャーデビュー。キャッチーな楽曲を得意とし、80年代のハードロック/ヘビーメタル界をリード。94年に解散するも99年に再結成。

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