樹木希林、さらりと「全身がん」告白
「第36回日本アカデミー賞」授賞式が8日、都内で行われ、女優・樹木希林(70)が「わが母の記」で最優秀主演女優賞を獲得した。同賞を獲得した女優は翌年の授賞式で司会を務めることになっているが、壇上で樹木は「冗談じゃなく、全身がんなので、来年の仕事は約束できないんですよ」と発言し会場を驚かせた。自身でもがんの数は把握しておらず、具体的な治療は行っていないという。なお、作品賞は「桐島、部活やめるってよ」が受賞した。
女優・吉永小百合(67)、松たか子(35)、草刈民代(47)、沢尻エリカ(26)という豪華な顔ぶれを抑えて2度目の最優秀主演女優賞を獲得した樹木が、晴れの舞台で衝撃の告白をした。
壇上でトロフィーを手渡されると、苦笑いしながら「これいただくと、来年司会でしょ。わたし、冗談じゃなく全身がんなので、来年の仕事約束できないんですよ」とサラリと告白。軽い口調での深刻な告白に会場はざわめいたが、「わたしは実の(賞金の)振り込みだけでいいんで、栄誉は吉永さんとかエリカさまに」と続けると、会場の空気は和らぎ、笑いも起きた。
樹木は、授賞式後にあらためて「医者が2軒そう(がんだと)いうんだから間違いない。検査するとすぐ(がんが)見つかるからいやなのよ」と真実であることを明かした。2004年に乳がんを患い、05年に切除手術を受けた。その後再発し、全身のさまざまな場所に転移したという。治療などは行っていないといい、樹木は「こういうときは治療に専念しないの」と笑った。
授賞式では吉永らを見つめながら「きれいねぇ、こういうのを女優って言うんですね。わたしはハンディがあります」と発言したり、司会者がほかの女優をインタビューしているスキに司会席で一休みするなど自由人ぶりも発揮。会場の視線を一身に集めた。第31回では「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(07年)で最優秀主演女優賞を獲得、08年の授賞式では義理の息子の俳優・本木雅弘と共演するなど「日本アカデミー賞」常連の樹木。病気を克服しての、来年の授賞式での笑顔が待たれる‐。