是枝裕和監督に「伊丹十三賞」
タモリ、リリー・フランキーらが過去に受賞している「伊丹十三賞」の第8回受賞者が映画監督の是枝裕和氏(53)に決定したことを14日、主催する伊丹記念財団が発表した。「映画監督が映画産業のなかのひとつの役割にすぎなくなりつつある時代に、みずから独立したシステムをつくり、構想、脚本、キャスティング、演出、編集までを一貫して手放さない、映像作家としての姿勢、その成果に」としての授賞となった。
是枝監督は「伊丹十三という名前は僕にとっては特別なものです。伊丹さんご自身もその志に共感して深く関わられていたテレビマンユニオンに僕も27年在籍していましたし、伊丹さんがそこで今野勉さんたちと作られたテレビ史において特筆に値する斬新で、軽妙で、それでいてテレビの本質を鋭くえぐった番組群は、僕自身がテレビについて考える上での最大の指針になりました。今回、その特別な名前のついた賞を頂けるのは大変光栄ですし、作品そのものだけではなく、それと向き合う姿勢や、組織のあり方も含め、評価を頂いたのが、何より嬉しいことで、周りのスタッフも共に喜んでくれると思います。本当にありがとうございました」とコメント。
是枝監督は「誰も知らない」、「そして父になる」などのメガホンを執り、最新作の「海よりもまだ深く」は5月21日に公開が予定されている。なお、贈呈式は4月14日に都内で行われる。