滑落遺体は「しんちゃん」作者・臼井儀人さんだった!事故と自殺の両面で捜査

 【2009年9月21日付デイリースポーツ紙面より】

 群馬・長野県境にある荒船山(1423メートル)のがけ下で見つかった男性の遺体が20日、行方不明となっていた漫画「クレヨンしんちゃん」の作者臼井儀人さん(51)=本名臼井義人=と確認された。臼井さんは今月11日朝、「荒船山に行く」と言い残して行方不明になっていた。死亡推定時刻は11日午後。遺書は発見されていないが、県警は事故と自殺の両面で捜査していく。

 登山道の途中にある「艫岩(ともいわ)」のがけ下約120メートルの地点で19日に発見された遺体は、やはり臼井さんだった。  20日、埼玉県春日部市の自宅から下仁田署に駆けつけた臼井さんの家族らが確認した。遺体は全身を強く打っており、骨が折れるなど損傷が激しく、顔は判別できないほどつぶれていたが、家族はすぐに「お父さん」と分かったという。最終的には歯型などから本人と確認した。

 自宅を出た時と同じグレーのTシャツの上に白地と緑のチェックのシャツを羽織った臼井さんの遺体は、衣類がボロボロで、ズボンは脱げて下着だけの姿だったという。死因は全身打撲による肺挫滅。遺体付近で壊れたデジタルカメラやリュックサック、脱げた靴が見つかった。リュックには携帯電話、財布、着替えの衣類などが入っていた。

 一部では信仰している新興宗教をめぐり、家族と対立し、自殺したのでは?との憶測も飛んでいたが、遺体発見現場付近や所持品から遺書のようなものは発見されていない。下仁田署は臼井さんが艫岩付近の登山道から誤って滑落した可能性もあるとみている。

 臼井さんは11日朝、荒船山に登山に行くと家族に告げて埼玉県春日部市の自宅を出た。登山口にタクシーで向かう途中、コンビニで食料らしきものを購入した姿が防犯カメラに写っていた。その後再びタクシーで荒船山の長野県側登山口に向かい、正午すぎには艫岩の頂上付近に到着したが、その数時間後に滑落したとみられる。

 臼井儀人さんは表舞台には出ず、「しんちゃん」とは対照的に、もの静かな人柄だった。静岡県出身で、さまざまな職業を経た後、30歳を目前に挑戦した漫画の作品が雑誌の新人賞で佳作に選ばれ、本人いわく「素人」がプロの道に入った。1990年に雑誌でスタートした「クレヨンしんちゃん」はたちまち人気を集め、テレビアニメや映画になった。臼井さん自身はインタビューでは「僕は面白い人間じゃないし、読者ががっかりしちゃうから」と、顔写真の撮影を拒んだ。

 ◆臼井さん11日の足取り◆

 午前 埼玉県春日部市の自宅出発

 9時43分 群馬県、上信電鉄・下仁田駅到着

 9時48分 同駅前でタクシー乗車

 9時53分 途中、上小坂のコンビニに立ち寄る

 ※11時00分 群馬・長野県境の荒船山登山口到着

 ※12時ごろ 登山道の途中「艫岩(ともいわ)」到着

 ※午後 艫岩のがけ下に転落。死亡

(※時刻は推定)

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