ロマン・ポランスキー監督、セザール賞の審査委員長を辞退

 ロマン・ポランスキー監督(83)がフランスのアカデミー賞と称されるセザール賞の審査委員長を辞退した。

 来月24日にパリで行われる予定のセザール賞で開幕のスピーチを務める予定でもあったポランスキーは40年ほど前に制定法上の強姦罪で有罪判決を受け、今でもアメリカ司法当局からその身柄を引き渡すよう要求されていることから、ある女性権利団体がポランスキーに対し授賞式への参加を拒否するよう訴えたため、辞退を決めたようだ。

 ポランスキーの弁護士ハーヴィ・テマイム氏はフランス24に声明文を発表し「この論争はロマン・ポランスキーを深く悲しませ、彼の家族に影響を及ぼしました。審査員長の任命ではなく映画に焦点を当てるべきであるセザール賞を妨害しないためにもロマン・ポランスキーはこの招待を辞退することに決めました。そして今後もセザール賞の審査員を務めることはありません」とコメントしている。

 『戦場のピアニスト』『チャイナタウン』『ローズマリーの赤ちゃん』などで知られるポランスキー監督は1977年3月11日にジャック・ニコルソンの自宅にて当時13歳だった子役モデルのサマンサ・ゲイリーを強姦したとして逮捕された。

 ポランスキーは制定法上の強姦罪で有罪判決をうけるも、司法取引によって精神鑑定を受けている42日間を拘留期間として認められていた。

 その後裁判官がこの司法取引を取り消し、実刑判決を下されることになると考えたポランスキーは1978年にフランスへ亡命し、その後一度もアメリカには渡っていない。

 ポランスキーは母国であるポーランドにも暮らしており、アメリカ司法当局はポーランドに対しポランスキーの身柄を引き渡すよう長年に渡って要求してきた。

 先月にはアメリカからポーランドへ要求されていたポランスキーの身柄引き渡しの要求が無効となり、その際「僕は遂に母国で安全に暮らすことができる」とコメントしていた。

 そんな物議を醸しているポランスキーが先日、来月行われるセザール賞の開会のスピーチを務める役に抜擢された後、フランスの女性権利団体は同受賞式の主催団体ザ・フレンチ・アカデミー・オブ・シネマ・アーツ・アンド・テクニクスが「恥ずべき行為を行っている」として、会場の外で抗議活動を行うよう呼びかけていた。さらにポランスキーを同役から辞退させるための署名活動には6万2000人もの署名が集まっていたといい、そのことが遂にポランスキーを辞退に追い込む結果になったようだ。

 しかし主催団体側はポランスキーのことを「とどまることを知らない審美家」であると賞賛しており、同式典に審査員を務めることを承認するべきだと考えているという。

(BANG Media International)

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