仁左衛門手術!右肩腱板断裂で長期休養

 歌舞伎俳優の片岡仁左衛門(69)が「右肩腱板(けんばん)断裂」の治療のため11月以降の舞台を休演することを4日、松竹が発表した。10月の公演後に手術を行う。仁左衛門は昨年から右肩を痛めていたが、歌舞伎座の新開場などもあり舞台出演を続けていた。しかし、9月末に医師の診察で断裂が判明。仁左衛門は「大切なこの時期に、長期休演は非常に残念」と、無念のコメントを発表した。

 すい蔵がんを患った坂東三津五郎(57)の退院会見からわずか2日後、またもや歌舞伎界に衝撃が走った。

 右肩は昨年から痛めていたが、状況が早期治療を許さなかった。昨年12月に中村勘三郎さん、今年2月に市川團十郎さんを相次いで亡くし、その中で今年4月には歌舞伎座の新開場を迎えた。歌舞伎界が一丸となって“非常事態”を乗り越えようとしている時期だけに、簡単には休養を言い出せなかったようだ。

 痛みをだましだまし舞台に立っていたが「右肩腱板断裂」は腕の骨(上腕骨)と肩甲骨をつなぐ腱の断裂で、悪化すれば腕が上がらなくなることもあるという。仁左衛門は「今までの対処では舞台を続けることが不可能ということで、手術が必要となりました。心の痛みもひとかたではございません」と、無念を隠せなかった。

 現在出演している歌舞伎座の「芸術祭十月大歌舞伎」は25日の千秋楽まで出演するが、11月の「吉例顔見世大歌舞伎」(歌舞伎座)と12月の「當る午歳 吉例顔見世興行」(京都・南座)は休演。11月公演「仮名手本忠臣蔵」の高師直は市川左團次(72)、大星由良之助は中村吉右衛門(69)、寺岡平右衛門は中村梅玉(67)が、12月公演「二人椀久」の椀屋久兵衛は片岡愛之助(41)、「元禄忠臣蔵 御浜御殿綱豊卿」の徳川綱豊卿は梅玉がそれぞれ代役を務める。

 仁左衛門は「治療やリハビリに専念して予定より早く復帰がかなうよう努力いたす存念でございます」と、早期復帰を誓っている。

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