NHKでデング熱…女性2人の感染発表

 NHKは4日、東京都渋谷区の同局放送センターに勤務する女性職員1人と女性契約スタッフ1人がデング熱に感染したと発表した。都はこの日までに代々木公園で採集した蚊を調べた結果、園内の複数カ所からデングウイルスを検出。ウイルスを持つ蚊が見つかったのは初めてで、同公園での感染が裏付けられた。同局は代々木公園に隣接しており、2人は同公園に行った形跡があるという。都は人の出入りを禁止するため、公園の大半を封鎖。NHKも3日夜、蚊の発生源となりうる敷地内の側溝などの消毒を実施した。

 NHKは代々木公園に隣接するだけに、国内感染者の出た8月下旬から感染が危ぐされていた。同局広報によると、今月2日にそれぞれ別の職場に勤務する職員1人、契約スタッフ1人から感染の報告があったという。いずれも女性で職務以外で代々木公園に行った形跡があるという。職員は都内の病院で診察を受け、感染が見つかり現在入院中。契約スタッフは海外旅行中に入院した病院で感染が確認された。現在は帰国している。ともに「重い症状ではない」という。

 同局には、約5000人の職員が勤務。出演者、スタッフ、関係者らを含めれば1日あたり約3万人の出入りがあるという。最寄りのJR原宿駅や地下鉄代々木公園駅を利用する人の中には、同公園の敷地や付近の道路を利用する人も多いという。

 NHKも感染防止に注意を払い、2日には局常駐の医師が職員に向け、社内イントラで「長袖、長ズボンの着用。虫よけスプレー使用」を呼びかけた。敷地内でも蚊の発生源となる水たまりの除去、排水溝、側溝の清掃も行い、感染者の報告を受けた後の3日夜には消毒も実施した。NHKホールやスタジオパークなどの来場者にも虫よけスプレーなどを用意するという。

 都は感染拡大を防ぐため、この日午後、同公園の大半を閉鎖した。閉鎖は1967年の開園以来初。都によると、閉鎖したのは54万平方メートルのうち、中央広場やサイクリングコースのある北側の44万6千平方メートル。再開時期は未定。園内に設けた調査地点10カ所のうち4カ所で蚊からウイルスが検出されたため。

 厚生労働省などによると、デング熱の国内感染は12都道府県の計59人となった。重症化した患者はいない。いずれも代々木公園かその周辺を訪れていた。感染したNHK職員らが含まれているかどうかは不明という。

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