野々村被告 裁判長から厳しく叱責

 日帰り出張を繰り返したなどとうその報告書を提出し、政務活動費約913万円をだまし取ったとして詐欺罪などに問われるも、昨年11月の初公判をドタキャンした“号泣県議”こと元兵庫県議の野々村竜太郎被告(49)の“やり直し初公判”が26日午前、神戸地裁(佐茂剛裁判長)で始まった。野々村被告は「収支報告書に虚偽記載し、政活費の返還を免れたことは決してございません」などと起訴内容を否認した。また、弁護人質問では、問われる度に20秒ほど考え込み、裁判長から「さっさと答えなさい」と厳しい口調で説教された。

 午後の法廷では弁護人から同被告への質問が行われた。質問に入る前に同被告は「現在通院している。記憶障害の可能性がある」と、ことわりをいれた。しかし、弁護人から病院に行った日付を問われると「平成27年12月9日です」と即答した。

 議員を務めた時期や領収書の書き方について弁護人が質問すると、同被告は「記憶を確認させていただきますので、お待ち下さいますようお願い申し上げます」と言って20秒近く沈黙。その上で「記憶にございません」と述べた。

 弁護人はまた、物品を購入した際のレシートの管理法、収支報告書の記載法などについて質問。同被告は「記憶を確認させていただきますので、お待ち下さいますようお願い申し上げます」と同じセリフを繰り返し、やはり20秒近く沈黙。その上で「記憶にございません」と述べた。

 ついに裁判長は堪忍袋の緒が切れたのか「そんなに難しいことは聞かれていない。さっさと答えなさい」と、「さっさと」という法廷には珍しい強い言葉でたしなめた。続けて「考えたいのは分かるが時間は無尽蔵にあるわけではない。記憶にあるかないかくらいすぐに分かるでしょう」とイエローカード。同被告は「はい」と小さな声で答えた。

 その後も弁護人からデータ改ざんなどについて聞かれると同被告は「覚えておりません」と返答。しかし、警察の取り調べ段階における日付を聞かれると「平成26年11月14日」とよどみなく回答した。取調官の名前もフルネームで答え、覚えていることといないことの偏りが目立った。

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