高円宮典子さま婚約 宮司の長男と
高円宮家の次女典子さま(25)と島根県の出雲大社の宮司、千家尊祐さん(71)の長男で同大社禰宜(ねぎ)の国麿さん(40)の婚約が27日、内定した。結婚式は今秋、出雲大社で行われる。皇室典範の規定で、典子さまは結婚に伴い皇族の身分を離れられる。皇族の結婚は天皇、皇后両陛下の長女黒田清子さんの2005年以来。この日午前、高円宮妃久子さまと典子さまが皇居・御所を訪ね両陛下に報告。これを受けて宮内庁の西ケ広渉宮務主管が発表した。
婚約内定の会見に典子さまと千家さんはピンクのワンピースとネクタイとおそろいの色を身に着けて臨んだ。典子さまは「家族同士のお付き合いをさせていただく中で、自然と結婚というお話が出てまいりました」と、この日を迎えるまでの経緯を振り返られた。
「国麿さん」。親しげに名前を呼ぶ典子さまが千家さんと知り合ったのは7年前。「長い間お待たせをしてしまったので、少し申し訳なかったかしら」と笑うと、隣で緊張を隠しきれない様子の千家さんは両手をひざの上で握り締め、首を小さく横に振っていた。
プロポーズの言葉はなかったと明かした典子さま。報道陣から重ねて「プロポーズのような言葉は」と尋ねられた千家さんが言葉を詰まらせると、典子さまが「ありませんでしたね」と念を押すような助け舟。これからの2人の関係を示すようなやりとりに、和やかな雰囲気が広がった。
お互いの印象は「おおらかで、大変誠実な方」と典子さま。千家さんも「温かさ、優しさ」と応えた。
典子さまの父は昭和天皇の末弟、三笠宮さまの三男で02年に急逝した高円宮。典子さまは大正天皇のひ孫に当たる。母、久子さまは20年東京五輪、パラリンピック開催が決まった昨年9月の国際オリンピック委員会総会のプレゼンテーション冒頭でのスピーチで注目された。
千家家は代々、出雲大社の祭祀(さいし)を担っている。両家は高円宮が亡くなる前から、家族ぐるみで交際していた。
今後は、一般の結納に当たる「納采(「のうさい)の儀」や、皇族の身分を離れる際に国から支出される一時金の額を決める皇室経済会議、典子さまが皇居・宮殿で両陛下に感謝の言葉を伝える「朝見(ちょうけん)の儀」など結婚に向けた儀式や手続きが予定されている。