第13回 山田菜々「世代交代」
NMB48・チームNの副キャプテンを務める「けいっち」こと上西恵が、毎週ゲストを迎えて“若者代表”としてオピニオンを展開するコーナー。こちらでは、紙面で掲載しきれなかった「こぼれ話」を大特集。記者の質問も交えて、実際の取材現場を再現します。今回のゲストは「なな」こと山田菜々。紙面のテーマは「世代交代」でした。
※取材は卒業発表前でした。紙面に掲載された卒業関連のコメントは、後に追加取材したものです。
-48グループ全体、とりわけNMB内で「世代交代」と言われていますが…けいっち(以下「け」)「私は正直『ついに』って思いましたね。これから変わっていくんや、楽しみやなって。個人的には、今までは『もう次世代とも呼ばれへんしな…』って思ってたんですけど、あるいみもう呼ばれなさ過ぎて(笑)、吹っ切れたというか」
な「発表されたときに、すごい歓声だったんで、ファンの方も変化を求めてるなってのは感じました。あと、PVを撮ってて、前に立つって大変なんやなって思いました。私も2列目とか3列目に行って、ダンスとかでも人が前にいて、景色も違うけど、ちょっと安心する部分もあるんです。逆に(白間)美瑠とかふうちゃん(矢倉楓子)とかは、初めて一番前に立って、後ろにNMBを引っ張ってきたメンバーが構えてるわけじゃないですか。すごいちょっとしたことでも緊張して、立ち位置とかでも、いつもはミスしいひんところでちょっとずれたりとか…。2人はそういうのもうれしいし頑張るとは言ってるけど、やっぱりプレッシャーがあるんやなって思うから、できるだけ教えてあげた り、力になれたらいいなとは思ってます」
け「さすがやな~」
-お2人は、公演でのセンターは何度も担当していると思いますがけ「私は『ここ天』になるまではセンターをやったことはなかったんですけど、自分がセンターをやったときに『今日の公演はあかんかった』って言われると、私のせいかなって思って責任を感じるし…、プレッシャーや責任感は強くなりますね」
-世代交代という意味で言うと、上西さんは一時期、NMB内での順位にこだわっていて、最近はそうでもないというお話でしたが、センターというものに対する考え方は…け「何て言ったらいいんだろう…。目指すべきだとも思うんですけど、なりたいと思ったこともないんですよね。まずはNMBの中で絶対に必要な存在になりたいというのがあるんで、センターへのこだわりはそれほどないんです。『私じゃないな』と思うし」
な「私もセンターになりたいと思ったことはなくて…。私は将来、卒業してマルチタレントになりたいっていう夢が見つかったからこそ、皆のことは引っ張っていかないといけないとは思うけど、センターがどうとかいうよりは、1人でお仕事できるようにとか、そういうことも考えますし」
-上西さんは以前、今後は選抜メンバーに入れるかどうかという心配もされてましたがな「そんなんしてたん!?大丈夫よ、けいっちは。安定ですよ」
け「ありがとう(笑)。全曲で選抜に入ってるのも、さや姉(山本彩)、菜々ちゃん、美瑠、りぽぽ(小谷里歩)と私だけになったから、これからも続けていきたいな」
-NMBが変わっていこうとしているという雰囲気がある中で、選抜総選挙があり、ペナントレースがあり、NMBが若干、苦戦してきたという部分への思いはありますかな「そうですね。やっぱり48グループの中のNMB48という以上は、他のチームに負けたくないという気持ちもあるし、そのためには私たちがもっとファンの方を燃えさせないといけないと、48グループのお祭りとしてそういうものがあるから頑張らないといけないなと、そういう思いはあるんですけど、それとは別に、1回1回のコンサートとか、劇場やテレビでのパフォーマンスとかで、NMBは48グループを全然知らない人をつかまえられる力があると思うんです。だからそういう部分にも力をいれないといけないなって。NMBはエンターテインメント力が高いグループだと思ってるんで」
け「トークとかも頑張らないといけないよね。私はまだ苦手なままやけど…」
な「でも、メッチャしゃべれるようになったよね。MCとかでも、今までは全然しゃべれへんイメージやったけど、今は自分からしゃべれるようになったし」
け「そうかな~?」
な「あと、ラジオを一緒にやってるんですけど、最近キャラが出てきて…。最初は普通に『上西さん』っていう感じだったんですけど、ホンマに思ってることを普通にマジメに言うっていうのが逆に面白くて、それをもっといろんな人に知ってもらえたら、『何、この子?』みたいな感じで面白いって思うんです。ある意味、一周回って面白いというか(笑)」
け「公演とかではもう慣れたけど、大きな舞台とかだと、やっぱりまだ緊張しちゃうんですよね。ツアーの時とかでも、1人でMCの練習したりとか」
な「マジメ(笑)」
-山田さんは、SKEとの兼任もな「だいたい月に1回ぐらいですね。よく『しんどいでしょ』とか『体調大丈夫?』とか聞かれるんですけど、全然苦にならないし、どちらにも楽しみがあって…。Mを離れても、Mにはまとめてくれる子がいっぱいいるから上手いこといって、SKEに行ったらかわいがってもらえるし。ただ、MCで振られたりしたら『ボケないと!』って思いますね(笑)。やっぱりNMBの看板を背負ってる部分があるから…。だから私もみるきー(渡辺美優紀)も、SKEの6周年の時はボケてました」
-4年間やってきて、お互いに変わった部分などは…な「何が変わったやろ~。あんまり変わってないような気もするし。でも単純に、みんな大きくなりましたよね(笑)。身長が高くなったり」
け「確かにそやな~。美瑠とかメッチャ小さかったのに、だいぶ背が伸びたよね」
-お2人の最初の印象となるとけ「私、いつも菜々ちゃんに言われるのがあるんですよ(笑)」
な「なんていうか…、この子がアイドルになるんや、って思いました(笑)。本当に、田舎から出てきたという感じで、ヨレヨレの服着て…みたいなイメージです」
-そのころ上西さんは、ものすごい自信を持って来ていたというお話は聞きましたが…な「えっ、そうなん!?(笑)」
け「そやねん。オーディションの時は『絶対受かるやろ』って思ってた」
な「でも、最初の公演で、けいっちと向かい合わせになる場面があったんですけど、みんな澄ました表情をしてて、その時に『あ、わかった!』って思いました。すごいきれいやって、大人の人はこれを見抜いてたんやなって」
け「ホンマ?うれしい~」
な「それからはずっと『クールビューティー』ポジションやもんね。だからしゃべらなくてもいいと思う(笑)」
け「うん、しゃべりたくない(笑)。これから先も、トークが好きになる自信がないし…。私はもともと、年上の人としゃべるのが苦手やったから、正直菜々ちゃんのことは怖かったんです。全然しゃべりかけられなかったんですけど、菜々ちゃんはすごく周りが見れるから、『けいっちはどう?』とか話しかけてくれて…」
な「全然覚えてない…(笑)」
け「でも菜々ちゃんと普通にしゃべれるようになったのは、実は最近なんです(笑)。やっぱり緊張しちゃって」
-キャプテンに山本さんがいて、山田さんは陰のリーダーとして、引き締めるところは引き締めるという話はよく聞きますけ「そうですね。チームが一緒だった時は、よく反省会の後に自分の考えを話してくれてたんです。『このままじゃあかんと思う』とか…。それを聞くたびにやっぱり納得するし、私はずっと菜々ちゃんのことを尊敬してました」
な「尊敬して『ました』?(笑)」
け「してます(笑)。ホンマに。でも、普通にしゃべれるようになったのは最近で。ラジオももう1年一緒にやってるんですけど、それでも最近なんですよね。菜々ちゃんはしっかりしてるから、自分もしっかりしないと、迷惑掛けたらあかんみたいな気持ちになっちゃって…」
-いろいろ聞く限りでは、山田さんは割としっかりしてない系のキャラクターだということが多いですが(笑)な「そうなんですよ!自分ではそんなことないと思ってるんですけど」
け「うーん、勉強とかの部分では抜けてるって言われることも多いけど、それ以外のところは本当にすごいです」
-人間力という部分ですねな「今のところ、ドデカく書いて下さい(笑)。そのキャラも返上したいし、そもそも作ったつもりもなく…。私は自分ではしっかりしてると思ってたんですけど、テレビとかに出してもらっているうちに、お笑いができないというのが目立って『ぽんこつ』って言われるようになって…」
-選抜でもずっとお2人は一緒ですが、何か覚えているエピソードなどはけ「私、ずっと覚えてることがあって…。一昨年の選抜総選挙で、さや姉とみるきーと菜々ちゃんとあいにゃん(福本愛菜)とまーちゅん(小笠原茉由)がランクインしたんです。私は入れるとは思ってなくて、もし名前を呼ばれたらすごいなって思ってたんですけど、近いところにいると思っていたあいにゃんとかまーちゅんーがランクインして、すごい悔しかったんです。でも、入れると思ってたんやと思われるのもイヤで、泣くのも我慢してたんですよ。そしたら菜々ちゃんが一人だけ、終わった後に私のところに来てくれて、一言『頑張ろうな』って言ってくれたんです。『ああ、わかってくれてるんや…』って思って、すごい感動しました」
な「え~、全然覚えてない…(照)」
け「やっぱり大人なんですよね。すごく周りが見えてて」
な「けいっちのエピソードは…、この間、夜ご飯でしょうが焼きを一緒に作ったんですけど、けいっちが何かすごい変なことしたんですよ。何やったかな~。思い出せへん…。まあ、できあがったものは普通だったんですけど、料理とかできそうなイメージやったから、意外でしたね。あと、最近よく買い物とか一緒に行くんですけど、やっぱり“おバカ”やなって(笑)。しっかりしてるイメージがあるんですけど、私と同じタイプやなって思います。黙ってれば賢そうに見えるし、ちょっといい感じのお姉さんに見えるけど、しゃべったら私も変な声やし、けいっちもどこか抜けたようなしゃべりやし(笑)。もちろん、しっかりした部分もあって、副キャプテンになってから特に、ツアーで曲を決めなきゃいけないときは全員から意見を聞いて集めて…とかずっとやってます」
-そういう意味では、山田さんはずっと副キャプテン的な立場から、今はキャプテンとして引っ張ってきた立場ですねな「けいっちはマイナスに考える部分があるっていうから、もっと楽にしたらいいのにっていう話はしますね」
け「よく菜々ちゃんに相談しますね。菜々ちゃんが『そんな重く考えんでいいって』って言ってくれたから、軽く考えてたんですけど、しばらく経つとまたどんどん重くなって(笑)」
な「私はそんなに重く考えたことはなくて。自分が言いたくないって思ったら言えへんし、絶対こういう風にやりたいと思ったら言います。最低限しかしないです(笑)」
-山田さんは以前、Mのツアーが終わった段階で卒業することを考えていたというのを耳にしたことがあるのですが…な「やっぱり常に、イヤって思うこともあるし、ホンマに今まで、デビューしてから今日までも、ホンマに辞めたくなったら辞めようと思ってて。まだ22歳だから、やりたいことができる歳やし、それがダメでも他に道はあるし…っていう感じで、楽な考えでいないと、私も重たくなっちゃうので(笑)。それでMツアーが、1つの区切りとしていいかなって思ったんです。夢やった大阪城ホールでのコンサートもできたし…。NMBがイヤになったというのは全くなくて、自分の気持ちとして、次に1人でできることをやってみたいなと思ったんです。だから、すごい前向きなんですよ」
-逆に上西さんは、辞めたいと思ったことはないというお話でしたけ「はい、前までは…(笑)。やっぱり副キャプテンになってから、結構悩むことも多くて…、いや、違いますね。今年の総選挙からです。あの当時は強がって『順位なんて、そんなね』って自分に言い聞かせてたんですけど、後になって、やっぱりショックやったんやなって、思い知りました。でも最近、やっとすこし気持ちが軽くなってきたところはありますね。やっぱりチームとして、私たちぐらいのポジションが強くなっていかないといけないとも思うんで」