末期がんと闘った笑福亭松喬さん逝く

 上方落語家で屈指の本格派として知られた笑福亭松喬(しょうふくてい・しょきょう、本名高田敏信=たかだ・としのぶ)さんが30日午後4時30分、肝臓がんのため大阪市西区の病院で死去した。62歳。兵庫県出身。31日には大阪市内の自宅で仮通夜が営まれ、弟弟子の笑福亭鶴瓶(61)らが弔問に訪れた。

 松喬さんは、2011年12月に肝臓がんが見つかり入院。昨年4月に手術できない末期状態であることを告白した上で、落語活動を再開した。今年5月になって食欲をなくし体重は78キロから38キロに激減。今年6月からは入退院を繰り返し、7月27日に肝臓の数値が悪いとして再び入院。敬子夫人が担当医から「1週間もつかどうか」と余命宣告を受けていたという。

 29日に一時は危篤となったものの、30日になって意識を取り戻し、付き添っていた敬子夫人に「お前のことが大好きや」と話し、息子や娘の名前を呼ぶなどし、最期の別れとなったという。

 松喬さんは1969年、故六代目笑福亭松鶴さんに入門し、鶴三の名で初高座。87年、六代目笑福亭松喬を襲名した。上方言葉を大切にした重厚、丁寧な語り口、的確な人物描写で「らくだ」など古典を中心に演じ、2007年度の芸術祭賞大賞を受賞。笑福亭を代表する存在として活躍した。

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