天野祐吉氏が死去…80歳、間質性肺炎

 広告批評の先駆けで、切れ味鋭い社会時評でも知られたコラムニストの天野祐吉(あまの・ゆうきち)さんが20日午前10時38分、間質性肺炎のため東京都目黒区の病院で死去した。80歳。東京都出身。葬儀・告別式は本人の希望で行わない。

 出版社や広告代理店勤務を経て、マドラ出版を設立。1979年に雑誌「広告批評」を創刊し、編集長に。テレビや雑誌の広告表現から時代を読み解く手法で注目を集め、幅広い読者を獲得した。

 広告批評101号からは編集長を島森路子さんに譲り、新聞や雑誌のコラム執筆やテレビのコメンテーターとしても活躍。政治からメディア、芸能まで、ユーモラスな辛口批評で親しまれた。

 「広告の本」「広告論講義」など著書多数。「くじらのだいすけ」「絵くんとことばくん」などの絵本も手掛けたほか、大人が人生を楽しむためのイベント「銀座・大人の学校」や「隠居大学」も開催した。

 2002年から松山市立子規記念博物館長を務め、07年から名誉館長に就任している。

 同博物館の竹田美喜館長は「松山を愛して、足しげく通ってくれた。博物館について天野さんに相談すると『それでよかろう』と一言を掛けてくれるのが支えだった。遺志を継いで、にぎやかで笑いがある博物館にしていきたい」と話した。

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